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屋外で20Gbps超える5Gマルチユーザー通信に成功NTTドコモとエリクソン・ジャパン

NTTドコモとエリクソン・ジャパンは15GHz帯を用いた屋外環境での5Gの通信実験を行い、受信時最大10Gビット/秒を超える通信速度の無線データ通信に成功したと発表した。2台の移動局装置を同時接続する実験では、20Gビット/秒を超える通信容量の無線データ通信に成功したという。

» 2016年03月01日 10時30分 公開
[庄司智昭EE Times Japan]

 NTTドコモとエリクソン・ジャパンは2016年2月、同年2月17日に15GHz帯を用いた屋外環境での第5世代移動通信方式(以下、5G)の通信実験を行い、受信時最大10Gビット/秒(Gbps)を超える通信速度の無線データ通信に成功したと発表した。

 また、同年2月21日に同じ環境で行った、2台の移動局装置を同時接続するマルチユーザー実験では、20Gbpsを超える通信容量の無線データ通信に成功したという。

「マルチビームMIMO」を活用

 10Gbpsを超える通信を実現するには、連続した広い周波数帯域幅の確保に適する高周波数帯の利用が想定されている。しかし、周波数は高くなるに従って電波の波長は短くなり、遠くまで伝搬しない特性がある。そのため、「10Gbpsを超える通信では、高周波数帯でより遠方に電波を届かせることが課題になっていた」(NTTドコモ)と語る。

 実験では、基地局アンテナから複数のビームで、それぞれ異なるデータを同時に伝送して通信速度を向上させる「マルチビームMIMO」を利用した。これにより、10Gbpsを超える無線データ通信を実現。マルチビームMIMOで、4台の基地局アンテナから複数のビームで2台の移動局装置に対し、同時に同一周波数を使用したデータ送信を行った実験では、受信時最大20Gbpsを超える通信容量の無線データ通信を実現したとしている。

実験の様子(1)。「マルチビームMIMO」により、基地局アンテナから複数のビームで2台の移動局装置に対してデータ送信を行った実験では、受信時20Gbpsを超える通信容量の無線データ通信を実現したという (クリックで拡大) 出典:NTTドコモ

 また、1ビームあたり64個のアンテナ素子を搭載した装置を2台用いて、電波の放射エリアを特定方向へ集中させる「ビームフォーミング」により、70m以上の移動局装置へ10Gbps、120m以上で9Gbpsの通信速度を超える無線データ通信を実現したという。

実験の様子(2)。「ビームフォーミング」により、70m以上の移動局装置へは10Gbps、120m以上で9Gbpsを超える通信速度での無線データ通信を実現していることが分かる (クリックで拡大) 出典:NTTドコモ

 同実験は、NTTドコモとエリクソン・ジャパンが共同で仕様を策定し、エリクソン・ジャパンが設計/製造した実験用の無線基地局と携帯電話機に相当する移動装置を用いて実施されている。実験場所は、ドコモR&Dセンタ(神奈川県横須賀市)である。

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