Avagoは2013年に、当時の半導体業界では最大規模となる66億米ドルでLSI社を買収した。その後Avagoは、LSI社の一部の部門をIntelとSeagate Technologyに売却している。
またTan氏は、「新生Broadcomは今後18カ月以内に、7億5000万米ドル規模のコスト削減を実現する予定だ。このコスト削減を曲線で示すと、最初と最後の期間が大きく落ち込むような放物線のようになる。現会計年度中に実施するのは、全体の3分の1未満となる見込みだ」と述べている。
Maslowski氏は、「今後6四半期の間に、TSMCなど製造委託先への発注量が増えることによって、コスト削減効果を得られるとみている」と述べる。
旧Broadcomのセットトップボックスおよび無線接続部門については、新生Broadcomにおいて、“持続可能なフランチャイズ”として存続させる予定だという。Maslowski氏は「セットトップボックス部門の成長は、主にDSL/GPONゲートウェイによるところが大きいだろう。AvagoのFBAR(圧電薄膜共振器:Film Bulk Acoustic Resonator)フィルター技術を適用することにより、他を圧倒する性能を備えた無線LANモジュールを実現できる見込みだ」と述べる。
ウォール街のアナリストらは、これまでのところ、今回の買収を評価している。ドイツ銀行のアナリストであるRoss Seymore氏はレポートの中で、「新生Broadcomは、同社の幅広い有線/無線関連の製品群がけん引役となり、半導体業界全体と同じか、それよりも少し速いスピードで成長する可能性を持っている」と分析している。
新生Broadcomの複数の従業員らは、名前を明かさないという条件の下、「今回の合併の行く末について話すのは時期尚早だと思うが、幹部らは強気だ」との印象を語ってくれた。あるベテランのエンジニアは、「技術面ではなく、経営やサポート機能の点で、物事の進め方が変わるだろう」と述べた。
【翻訳:田中留美、編集:EE Times Japan】
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