Maxim、スマホリスク排除し車/産機軸に転換へ:「創業以来の大変革」(3/3 ページ)
「より広範なアプリケーションをターゲットにする」という自動車でさえも、インフォテインメント向け電源、USB、シリアルリンク、ラジオ、アンテナ、スマートキー、バッテリー、LED照明にフォーカスを絞る。いずれもスマホなど民生機器分野で培った技術を基盤に製品開発を進め、自動車市場向けに最適化した製品群が市場に受け入れられつつある領域で、今後、シェアを高めていく方針だ。「自動車向け売り上げは、2018年にかけて市場平均成長率の約2倍程度となる年平均9%成長を目指す」とする。
自動車向けビジネスでフォーカスする領域 出典:Maxim Integrated
産業機器向けでは「電源で勝ち抜く」という明快な戦略を敷く。高電圧、高集積な電源ICという強みを打ち出して、競合との差別化を進めていく。
データセンター向けも同様に、高集積電源ICにフォーカス。そこに、100Gbps対応など技術的に先行できているとする光ネットワーク用ICへのフォーカスも続けるという。
産業機器、データセンター向けでフォーカスする製品概要。産業用電源(左)、光ネットワークIC(右)。 (クリックで拡大) 出典:Maxim Integrated
事業を継続するモビリティと、ウェアラブル向けでは、電源、オーディオ、センサーに投資先を絞りながら、ウェアラブル機器をはじめとしたスマホ以外の成長ドライバーを模索していくことになる。また「今後も、自動車や産業機器向けの製品は、スマホなど民生機器分野で蓄積した技術ノウハウをベースに開発することになるだろう」(滝口氏)とモビリティと、ウェアラブル向けビジネスは技術面でのけん引役も担う。そのため、Maximにとって比較的新しい製品領域であるセンサーへの投資は継続され、将来的には自動車、産業機器分野への展開を図ることになる。
- ADIとTI、Maxim買収は“見送り”
Analog Devices(ADI)かTexas Instruments(TI)による買収が報じられていたMaxim Integratedだが、ひとまずADI、TIともにMaximの買収は見送るようだ。金額面で折り合いがつかなかったとみられている。
- Maxim、ルネサス「R-Carコンソーシアム」に参加
Maxim Integrated Products(マキシム)は2015年8月、ルネサスが提唱するパートナーシップ「R-Carコンソーシアム」に参加したことを発表した。ルネサスのSoCとマキシムのアナログ半導体が連携した車載向けソリューションを展開していくという。
- 新生Broadcom、一部の事業廃止も視野に
約370億米ドルという半導体史上、最高額の買収案件が完了した。新生Broadcomとして生まれ変わったAvago Technologiesは今後、コスト削減策を進める予定だ。複数の事業部門を売却することで、約3億米ドルを削減したいとしている。
- スマホ市場、今後5年は1桁台の成長に
IDCの発表によると、スマートフォン市場の成長率は2020年まで、1桁台の成長が続くようだ。OS別に2015年を振り返ると、iOS端末にとっては記録的な1年となった。苦戦を強いられたのはWindows Phoneで、出荷台数は前年比で18%減となっている。
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