テクトロニクスは、LPDDR4やMIPI C-PHYなどの規格に適合するためのテストやデバッグを容易に行うことができる、オシロスコープ用広帯域TriModeプローブ「P7700」シリーズを発表した。
テクトロニクスは2016年3月、LPDDR4やMIPI C-PHYといった最新規格に適合するためのテストやデバッグを容易に行うことができるオシロスコープ用広帯域TriModeプローブ「P7700」シリーズを発表した。新たな構造のプローブやコネクター技術などにより、測定作業の容易性と、テストコストの低減を可能とする。
最新のスマートフォンやPCなどのモバイル機器では、プロセッサとメモリ、あるいはカメラモジュールやディスプレイパネルなどと高速にデータ転送を行うためのLPDDRメモリやMIPIモバイル規格などが登場している。また、USB3.1やPCI Expressといった高速シリアルインタフェース規格も技術革新が著しい。
これらの中には、ハイスピード(HS)モードとローパワー(LP)モードをダイナミックに切り替えることで、高い処理性能と電池の持続時間の最大化を両立させるような仕組みも開発されている。また、機器の小型、高機能化に伴い、高さ方向も含めて高密度実装技術は一段と進む。このため、信号波形を捉えるための測定用プローブは、高速で微小な信号を正しく捉えられる性能と同時に、小型、軽量で取り扱いが容易なことも求められている。もちろん、テストコストの削減も大きな課題である。
P7700シリーズは、モバイル機器やサーバ/コンピュータシステムなどにおける、これらの測定ニーズに対応するため開発した。プローブは周波数帯域によって4種類を用意している。最大20GHzの「P7720」、同16GHzの「P7716」、同13GHzの「P7713」、同8GHzの「P7708」である。また、スイッチを切り替えることで「差動」「シングルエンド」「コモンモード」と3種類の信号に対応することができる「TriMode」機能をサポートしている。
DUT(被測定物)の基板端子にはんだ付けして用いるプローブチップは、新しい構造とした。薄型のフレキシブル基板タイプ「P77STFLXA」と、DUT接続部との距離がある程度必要となる場合に有用な同軸ケーブルタイプ「P77STCABL」の2種類を用意した。いずれも、アクティブ入力バッファアンプをプローブチップと積層し、先端部に配置している。これにより、DUT接続部との距離は最大4mmとなり、信号の劣化などを防ぐことができる。
フレキシブル基板タイプのはんだ付け用プローブチップは、テストコストを節減することも可能である。従来のはんだ付け用プローブチップは、価格が1〜2万円と高価であった。これに対してフレキシブル基板タイプのはんだ付け用プローブチップは、5チップを1セットにしており、1個当たりの価格は約6000円と安価である。しかも、通常使用だと1個当たり最大10回は繰り返し利用することが可能だという。
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