DRAMの市場規模は巨大だが、プレーヤー(DRAMベンダー)は非常に少ない。2011年の時点ですでに、大手4社による寡占化状態が出現していた。プレーヤーは韓国のSamsung Electronics、韓国のSK Hynix、日本のエルピーダメモリ、米国のMicron Technologyである。2012年にはエルピーダメモリが倒産したため、プレーヤーは3社に減ってしまった。
1990年代の半導体メモリ市場は、PC向けDRAMが牽引(けんいん)していた。2000年代に入るとモバイル向けDRAMやNANDフラッシュメモリなどが登場して急激に成長し、半導体メモリ市場の拡大を牽引するようになった。現在ではPC向けDRAMは、半導体メモリ市場の牽引役を降りている。主役はPCからモバイルへと交代した。
DRAMの生産能力(ウエハー換算値)は、2010年から2015年にかけて減り続けてきた。300mmウエハー換算で2010年には月産140万枚の能力があったのが、2015年には月産100万枚強にまで低下している。需給の緩和による値下がりをDRAMベンダーが嫌ったことが、大きな理由だ。しかし2016年は久しぶりに、生産能力が増えそうだ。
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