テクトロニクスは、USBベースのリアルタイムスペクトラムアナライザーとして、新たに2シリーズ4機種を発表した。IoT(モノのインターネット)機器で利用される主な無線規格などに対応するRF測定が可能である。
テクトロニクスは2016年3月、PCで制御するUSBリアルタイムスペクトラムアナライザーとして、新たに2シリーズ4機種を発表した。IoT(モノのインターネット)機器で利用される主な無線規格などに対応するRF測定が可能である。
新製品は、屋外でのRFテストに向けた、堅牢設計で電池駆動の「RSA500」シリーズと、製造ラインや研究室でのRFテストに適した商用電源を用いる「RSA600」シリーズがある。いずれも周波数帯域は9kHzから最大7.5GHzまでカバーしている。取り込み帯域幅は40MHzである。最大入力は30dBm、DANL(Displayed Average Noise Level、表示平均雑音レベル)は−161dBm/Hzと、広い測定ダイナミックレンジを実現している。
両シリーズとも内蔵タイプのトラッキングジェネレーターをオプションで用意した。これを用いると、リターンロスや不良点位置の特定など、ケーブルやアンテナのテストを行うことができるという。
IoT機器は、Bluetooth Low Energy(BLE)やZigBee、Wi-SUNなど、さまざまな無線規格や独自の通信プロトコルなどを活用してネットワークに接続される。しかもネットワークに接続される機器数は急速に拡大している。
一方で機器を開発する環境も変化している。機器メーカーは全ての機能ブロックを自社で開発するのではなく、標準化が進むRF機能ブロックについては、相互接続の認証を受けたモジュール製品を外部から調達して、機器に実装するケースが増加している。設計期間の短縮や開発コストを削減する狙いがあるという。
こうした無線通信市場の変化に対して、同社はUSBリアルタイムスペクトラムアナライザーを開発した。IoT機器の設計者らが、電波管理や妨害波検出、無線送信機の設置/保守などの用途で必要となるRF測定を、比較的手軽に行えるようにした測定器である。ベンチトップ型リアルタイムスペクトラムアナライザー並みの性能を実現しながら、小型軽量化を図りつつ、価格は同等性能品に比べて約60%に抑えた。
RSA500シリーズには、周波数帯域が最大3GHzの「RSA503A」と同7.5GHzの「RSA507A」の2機種がある。特に、MIL-STD 28800 Class 2の衝撃/振動規格に適合した設計とし、防塵・防水規格であるIP52に準拠するなど、屋外での測定用途に向けて耐環境性を強化している。さらに、GPSに周波数ロックすることで内部基準周波数確度を±0.025ppmまで向上させることができるという。
Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.