現場における測定の作業性も改善できるという。従来のフィールド用スペクトラムアナライザーは、測定部、データ処理部、表示部などが一体となったオールインワンタイプであった。これに対してRSA500シリーズは、小型堅牢の測定器本体とノートPC/タブレットPCなどを、USBインタフェースで接続してRF測定を行う。小型で軽量なタブレットPCを利用すれば、測定時における作業者の負担を軽減することができるという。同社では、パナソニック製のタブレットPC「Toughpad」などを推奨している。現場で測定した信号を記録して持ち帰り、研究室などで解析することもできる。
RSA600シリーズには、周波数帯域が最大3GHzの「RSA603A」と同7.5GHzの「RSA607A」の2機種がある。測定性能はRSA500シリーズと同等であるが、商用電源に接続して使用する。大画面モニターを接続すれば、より詳細な波形観測が行えるという。
RF/ベクトル信号解析機能を共通のユーザーインタフェースに統合した無償のソフトウェア「SignalVu-PC」も、RSA500シリーズ及びRSA600シリーズの発表に合わせて新たな機能を追加した。このソフトウェアは、DPX(マスクテスト)やスペクトラム表示、周波数対時間、時間軸でのオーバービューなど17種類の測定機能を標準搭載しており、詳細な解析が可能となる。新たに追加したのは、使い勝手を高めるための機能だという。例えば、ユーザーインタフェースの改善や、信号識別用データベース/マッピング機能の強化、VSWR/リターンロス、ケーブル障害位置検出機能などである。
同社が推奨するPCでSignalVu-PCを実行した場合、競合する他社スペクトラムアナライザー製品に比べて、リアルタイム処理能力は約1000倍も高速になるという。
価格(税別)は、RSA503Aが76万8000円、RSA507Aが128万円、RSA603Aが89万8000円、RSA607Aが128万円となっている。オプションのトラッキングジェネレーターは19万4000円〜38万8000円である。
同社は、6.2GHz帯域のUSBスペクトラムアナライザー「RSA306」についても、バージョンアップを図り、「RSA306B」として販売を始めた。RSA306に比べて、新製品はスプリアス性能を10dB改善するとともに、振幅確度の向上などを図ったという。
RSA306Bは、RFデバイス起動時のチェックや簡易的なEMIプリコンプライアンステスト、屋外でのRFテストなどの用途に向ける。価格(税別)は49万8000円である。
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