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広域無線と狭域無線システムを融合、NICTが成功災害時などに現場周辺の情報を自動伝送(1/2 ページ)

情報通信研究機構(NICT)ワイヤレスネットワーク研究所は、広域無線ネットワーク「WRAN(Wireless Regional Area Network)」と、「Wi-SUN(Wireless Smart Utility Network)」による狭域無線システムを融合した実証実験に成功した。災害時などに現場周辺の映像などを自動伝送することが可能となる。

» 2016年04月04日 09時30分 公開
[馬本隆綱EE Times Japan]

 情報通信研究機構(NICT)ワイヤレスネットワーク研究所は2016年3月、広域無線ネットワーク「WRAN(Wireless Regional Area Network)」と、「Wi-SUN(Wireless Smart Utility Network)」による狭域無線システムを融合した実証実験に成功したと発表した。災害時などに総距離が30km以上離れた現地から、高精細映像などのデータ伝送を高速に行うことが可能となるという。

 NICTのワイヤレスネットワーク研究所スマートワイヤレス研究室は、WRANの新たな国際標準である「IEEE 802.22b」の物理層運用モード2規格に準拠した「基地局装置」及び「加入者装置」を開発した。

左は「IEEE 802.22b」の物理層運用モード2規格に準拠した基地局装置の外観、右は主な技術仕様 (クリックで拡大) 出典:NICT

 今回の実証実験は、新たに開発した「基地局装置」と「加入者装置」を用いて実施した。神奈川・横須賀市内と千葉・南房総市内の24.1km離れた2地点間において、上り回線9.7Mビット/秒(加入者局側:指向性アンテナ)、及び上り回線4.8Mビット/秒(加入者局側:無指向性アンテナ)の通信速度でデータ伝送を行った。

広域無線ネットワーク「WRAN(Wireless Regional Area Network)」と、「Wi-SUN(Wireless Smart Utility Network)」による狭域無線システムを融合した実証実験システムの概要 出典:NICT

 実験では、Wi-SUNルーターを広域無線回線の加入者局側に接続し、現場で収集した加速度センサーのデータを基地局側に常時伝送した。状況に応じて加入者局側で撮影した高精細映像を基地局側に自動伝送することも可能だという。

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