SEMIジャパンは、2015年10月に戦略的パートナー協定を締結したFlexTech Allianceとともに、従来のIC製造とプリンテッドエレクトロニクスを組み合わせた製造技術「Flexible Hybrid Electronics(FHE)」に関する日本の取り組みについて説明を行った。
SEMIとFlexTech Allianceは2015年10月、Flexible Hybrid Electronics(FHE)産業の促進のために、SEMI初となる戦略的パートナー協定をFlexTech Allianceと締結した。
FHEとは、従来のIC製造とプリンテッドエレクトロニクスを組み合わせた製造技術。FlexTech Allianceは、2008年に設立されたFHE産業の発展を促進する団体であり、約70社(2016年4月20日現在)が加盟している。日本からも「富士フイルムや帝人、コニカミノルタなど約5社が加盟している」(FlexTech Alliance)という。
2016年4月20日、FlexTech AllianceプレジデントのMichael Ciesinski氏と、SEMIジャパン代表の中村修氏が、国内におけるFETの取り組みについて説明を行った。
中村氏は、FlexTech Allianceとのパートナー協定締結に関して「SEMI会員にアンケート調査を行ったところ、FHEが最も強い関心を集めていることが分かった。SEMIとしても、2020年に向けて製造装置や電子部品、材料だけでなくアプリケーションの分野を広げていく。FlexTech Allianceとの提携によって、ウェアラブルやIoT向けアプリケーションなどにも視野を広げることができる」と語る。
FHEは、軽い/薄い/曲げられるといった特性を持つ。量産化や評価をどうするかといった課題はあるが、IoTデバイスやウェアラブル機器への応用が期待されている。IDTechの調査レポートでは、有機エレクトロニクスの市場予測が2016年に265.4億米ドルなのに対して、2026年には690.3億米ドルになると予測されている。
Michael氏は、「今後、それぞれの業界においてFHEが求められる性能をクリアしていく必要がある。そのためには、日本の企業なしでは実現できないと考えている。今後、FHEに関するワークショップやセミナーの開催、標準化に向けた取り組みを進めていくので、日本の企業もどんどん入ってきてほしい」と語る。
日本における取り組みとして、SEMIジャパン主催の展示会「SEMICON Japan 2016」(2016年12月14〜16日/東京ビッグサイト)内の特別展「World of IOT」でFHE関連の展示を展開。また、同展示会でFHEに関するセミナーも開催するとしている。
中村氏は、「日本の各機関とも、FHEを促進するための打ち合わせが始まった。まだ始まったばかりなので、どのような成果が出るのかは未知数だが、今後も企業や各機関と連携をとっていくことで、着実に進めていきたい」と語った。
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