三菱電機は、「テクノフロンティア 2016」で、SiC(炭化ケイ素)パワーモジュール製品について、主な用途別に最新のフルSiC IPM(Intelligent Power Module)/PFC(Power Factor Module)などを紹介した。
三菱電機は、「TECHNO-FRONTIER 2016」(テクノフロンティア 2016/2016年4月20〜22日、幕張メッセ)で、SiC(炭化ケイ素)パワーモジュール製品について、家電製品や太陽光発電(PV)システムなど主な用途別に、最新のフルSiC IPM(Intelligent Power Module)/PFC(Power Factor Module)などを紹介した。
SiCは材料の特性から、半導体デバイスで一般的に用いられているSi(シリコン)に比べて、電力損失を大幅に低減することができる。また、「高温動作が可能」「高速スイッチング動作を実現」「放熱性が高い」といった特長がある。
このため同社は、SBD(Schottky Barrier Diode)素子に加えて、MOSFETもSiCベースの素子を開発し、これらを搭載したフルSiC IPMの製品拡充に取り組んでいる。鉄道車両や電気自動車、産業機器、ビル設備、家電製品、PVシステムなどパワーエレクトロニクス機器のキーデバイスとして供給していく。
会場ブースでは、「家電用」「PV用」「高周波用」および「産業用」の各コーナーに分けて、SiCパワーモジュールの主な製品群を紹介した。
近く発売予定の家電製品向け小型フルSiC DIP IPMは、定格電圧600V、定格電流15Aの製品である。SiC MOSFETを搭載することにより、「従来製品に比べて電力損失を約70%低減できる」(説明員)と話す。SiC MOSFETのしきい値電圧(Vth)も高く、ゲート駆動用の負バイアス回路を不要とした。パッケージ及び端子配置は従来のDIP IPM製品と互換性を有し、置き換えるだけで電力消費の改善を行うことができるという。
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