ハノーバーメッセでは、ドイツ連邦政府が力を入れるモノづくり革新プロジェクト「インダストリー4.0」の進捗確認の場としても注目を集めている。これらはIoT(Internet of Things、モノのインターネット)を活用した製造現場の革新への取り組みだが、重要になるのがセンシング技術である。
ロームでは今回の出展によりさまざまなセンシング技術を出展。各種センサーの他、エネルギーハーベスティング技術により電源供給が不要な無線センサー「EnOcean」なども実演デモを行った。ブース各所に「EnOcean」デバイスを設置し、温度や湿度などの状況をリアルタイムに収集し、一元的に表示した。生産ラインなどでは生産性や稼働率が最重視されるためセンシングのためだけに電源供給することが難しい場合もあるが「独立させた形でセンシングできるため異常監視などに既存ラインに付加する形で活用できる」(飯田氏)と述べている。
さらにIoTでは「何をセンシングすればよいのか分からない」というような声も数多くあるが、センシングの効果を立証するためのパイロット機器向けに同社のセンサーとオープンな統合開発環境「Arduino」のマイコンボードを組み合わせ、簡易なシステム構築が可能なソリューション提案なども行っている。またデバイスメーカーとしての強みを生かし、センサーによる情報取得ではなく、デジタル電源ICから直接、電流情報などを収集し、電流の異常から予防保全を行うような提案も行っている。
「IoTで大きな動きがありそうなのが予防保全だと考えている。その中でセンシングは大きなカギを握る存在であり、センサーのさまざまなソリューション提案に加え、デバイスメーカーとしての立場を生かした提案をしていきたい。産業機器向けのIoTはまだまだ始まったばかりでメーカーもどうすればよいのか模索している状況。そのニーズに応える製品提供を行っていき、欧州の産業機械市場でもロームの価値を高めたい」と飯田氏は述べている。
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