2015年の車載半導体市場のシェアは、Freescale Semiconductorを買収したNXP Semiconductorsが首位を獲得した。2位にInfineon Technologies、3位にルネサス エレクトロニクスが続く。
米国の市場調査会社であるStrategy Analyticsは2016年4月29日(米国時間)、2015年における車載半導体ベンダーの市場シェアをまとめたレポートを発表した。それによると、274億米ドルの車載半導体市場において、NXP Semiconductorsがシェア14.2%を獲得して首位となった。2位はInfineon Technologiesで10.4%。2010年の会社発足以来、車載半導体シェア首位を守り続けてきたルネサス エレクトロニクスは10.3%で3位に転落した。
2015年12月にFreescale Semiconductorとの合併が完了した新生NXPは、Infineonとルネサスに4ポイントの差をつけてトップに立った。NXPにおける、2015年の車載半導体売上高は39億米ドルだった。
Strategy Analyticsによると、車載半導体へのニーズの高まりは、特にADAS(先進運転支援システム)、ディスプレイベースのインフォテインメントシステム、最先端のパワートレイン、無線通信といった分野がけん引要素になったという。
ただし、いずれのメーカーも通貨の問題に直面したようだ。Strategy Analyticsで車載分野調査のバイスプレジデントを務めるChris Webber氏は「自動車の製造台数は増えていて、自動車に搭載される電子部品もこれまで以上に増えている中、2015年は、円安、ユーロ安により、いずれのメーカーも米ドルベースでの売上高増加には苦しんだ。(米国のメーカーだった)Freescaleを買収したNXPは、競合他社に比べてその影響が少なかったのは明らかだ。旧Freescaleでは、車載事業の売上高の3分の1は、米国市場からだった。一方でInfineonとルネサスは、それぞれ17%、12%が米国市場からの売上高となっている」と説明した。
Freescaleを買収したことでNXPはトップに立ったが、ルネサスは、2020年には車載半導体シェアの首位奪回を狙う。ルネサスの自動車向け事業を統括する執行役員常務の大村隆司氏は、2016年1月に開催された「国際カーエレクトロニクス技術展」(会期:2016年1月13〜15日/会場:東京ビッグサイト)でEE Times Japanのインタビューに対し、「2020年には、(世界車載半導体シェア首位が)再び、ひっくり返るはずだ」と述べ、4年後には再び首位に立つことを強調している。
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