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フリースケール買収のNXP、車載半導体で首位ルネサスに肉薄か――世界半導体シェアは7位へビジネスニュース 企業動向

NXP Semiconductors(以下、NXP)がFreescale Semiconductor(以下、フリースケール)を買収することになった。買収後のNXPの売上高は1兆円を超える規模に達し、世界シェア7位、車載半導体では首位ルネサス エレクトロニクスに匹敵する売り上げ規模となる。

» 2015年03月02日 13時20分 公開
[竹本達哉EE Times Japan]

 NXP Semiconductors(以下、NXP)は、2015年内にFreescale Semiconductor(以下、フリースケール)を買収することになった(関連記事:NXPがフリースケールを118億ドルで買収)。買収後のNXPの売上高は1兆円を超える規模に達し、世界シェア7位、車載半導体では首位ルネサス エレクトロニクスに匹敵する売り上げ規模となる見込みだ。

 米調査会社IHSによると、2014年の売上高シェアは、NXPが54億5700万米ドルで世界14位、フリースケールが45億6000万米ドルで世界第17位。両社売上高を単純合計すると、100億1700万米ドルとなり、売上高シェア6位のテキサス・インスツルメンツに次いでシェア7位に相当する。

2014年の半導体メーカー別年間売上高ランキング(予測/単位は百万米ドル)。NXPは14位、フリースケールは17位に位置しており、単純合計で7位の東芝を上回ることになる (クリックで拡大) 出典:IHS

 車載半導体に限ると、フリースケールとNXPはともに、ルネサス エレクトロニクス、インフィニオン・テクノロジーズに次ぐ、シェア3位グループにあると見られ、買収後は、首位ルネサス エレクトロニクスと同等以上の売り上げ規模となる見込みだ(関連記事:NXP CEOに聞く“フリースケール買収の舞台裏” )。

 NXPは、2006年10月にフィリップスから分離独立する形で設立。世界シェア1、2位を占める強い製品分野に集中する事業戦略を掲げ、利益率の低いモバイル機器向け事業などを売却。2013年時点で、NFC(近距離無線通信)用ICなどを展開するアイデンティフィケーション事業で売上高の28%、車載向け製品事業で売上高の22%を構成。他に、汎用製品事業(売り上げ構成比22%)産業機器/インフラ向け製品事業(同16%)などを展開している。最近ではウェアラブル機器やIoT機器向け事業の強化などを狙い、2015年2月にQuinticのウェアラブル/Bluetooth Low Energy IC事業を買収した。

 フリースケールは、2003年にモトローラから分社し、2004年に株式上場。2006年に投資ファンドのコンソーシアム(ブラックストーン・グループなど)による買収に伴い株式非公開となるが、2011年に再び上場。「マイコン」「デジタルネットワーキング」「車載用マイコン」「アナログ/センサー」「RF」といった事業を主力に展開。特に車載マイコンについては、2010年のルネサス エレクトロニクス発足まで世界首位の地位にあり、現在も世界第2位のシェアを持つとされる。他にも車載向けにインフォテインメント向けのマルチメディアプロセッサ、センサー、レーダー関連製品などを展開し、売上高の45%程度を車載向け事業が占めるとされている。

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