メンター・グラフィックスは、EV/HEVなどに搭載されるパワー半導体/モジュールのパワーサイクル試験装置「MicReD Power Tester 600A」を発表した。実測値を活用することで、シミュレーション精度を大幅に向上することができるという。
メンター・グラフィックスは2016年5月24日、EV/HEVなどに搭載されるパワー半導体/モジュールのパワーサイクル試験装置「MicReD Power Tester 600A」を発表した。この装置で実測した値を、パラメーターとして熱シミュレーションモデルにフィードバックすることで、シミュレーション精度を格段に向上させることが可能となり、パワー半導体/モジュールの熱ストレスによる寿命などをより正確に予測できるという。
同社は、2014年5月にパワー半導体/モジュールの熱信頼性を評価するパワーサイクル試験装置を発表した。同社の試験装置は熱特性評価ソリューション「T3Ster(トリスター)」技術を用いた熱測定器で、パッケージングされたIGBT(Insulated Gate Bipolar Transistor:絶縁ゲート型バイポーラトランジスター)やパワーMOSFETなどのパワー半導体からLED、システムまで、幅広い用途で過渡熱特性を迅速に評価できる。
従来製品は、最大負荷電流が1500Aと大きく、さまざまな用途を対象にしたパワー半導体向けだ。最大3サンプルまで同時測定できた。MicReD Power Tester 600Aは、車載用途のパワー半導体に向けた製品である。最大負荷電流は600Aとし、供給電圧は48Vである。IGBTなどの被測定デバイスを、直列で最大16個接続して同時にテスト可能とした。
さらに、MicReD Power Tester 600Aを最大8台まで接続して試験することができる。このため、1回のシステム試験で最大128個のIGBTのパワーサイクル試験を同時に行うことができるのが大きな特長である。車載用信頼性規格「AEC Q101」で定められている、「1テストロット77部品」というIGBTテスト基準にも対応している。
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