NTTドコモと、Nokiaの日本法人であるノキアソリューションズ&ネットワークス(以下、ノキア)は、現在開催中の「ワイヤレス・テクノロジー・パーク(WTP) 2016」で、73.5GHz帯を使用して8K映像をリアルタイムで伝送するデモを披露した。
このデモは、「ワイヤレス・テクノロジー・パーク(WTP) 2016」(2016年5月25〜27日、東京ビッグサイト)に設けられた「5G Tokyo Bay Summit」パビリオンの一環として披露された。
5G Tokyo Bay Summitは、NTTドコモが進めている5G(第5世代移動通信)関連の開発の最新情報を展示するイベントで、ことしで2回目の開催となる。2015年の1回目は、神奈川県横須賀市の横須賀リサーチパーク内にあるNTTドコモR&Dセンターで開催されたが、ことしは、横須賀市よりも足を運びやすいという理由から、WTPを会場に選んだ。NTTドコモの広報担当者は、「2020年の一部商用化に向けて5Gを盛り上げるためには、より多くの来場者に5Gの最新技術を知ってもらうことが重要。そのため、WTPの一環として、5G Tokyo Bay Summit自体を出展することにした」と説明した。
NTTドコモは、世界的にみてもトップレベルの規模で5Gの開発を進めている。その上で欠かせないのは共同で研究開発を行っているパートナーの存在だ。今回の5G Tokyo Bay Summitでは、通信機器メーカーや半導体メーカー、計測器メーカーなど15社が5G Tokyo Bay Summit内で、NTTドコモとの共同研究の成果を発表している。
中でも来場者の目を引いていたのは、NTTドコモとノキアソリューションズ&ネットワークス(以下、ノキア)が行っていた、73.5GHz帯(帯域幅1GHz)を使用して8K映像をリアルタイム伝送するデモだ。5G向け要素技術の検証実験の一環である。ノキアの基地局から移動局に8K映像(150Mビット/秒)を伝送し、それをディスプレイに出力していた。両社は、5G(第5世代移動通信)技術検証実験で、8K映像のリアルタイム無線伝送に成功したことを、WTP 2016の開催前日である2016年5月24日に発表し、同展示会でデモを披露するとしていた。
NTTドコモによると、このデモは、8K映像の伝送だけでなく、ビームフォーミングのデモでもあるという。基地局からの電波を絞り、ビームを形成して2台の移動局に電波を送信した。スループットは、基地局が2Gビット/秒(Gbps)以上、各移動局は1Gbps以上だった。
現在、5Gの規格策定が進められているが、NTTドコモは「採用される周波数帯など、規格にまつわる課題はあるものの、要素技術の開発は順調に進んでいる」とコメントした。
Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.