VESA(ビデオエレクトロニクス規格協会)は、DisplayPort Alternate Mode(DP Alt Mode)に対応したUSB Type-Cを搭載した製品について、早期の認定プログラムを開始した。これに伴い、VESAは2016年6月9日、都内で記者説明会を開催し、DisplayPort Alternate Modeの概要と早期認定プログラムを紹介した。
DisplayPort Alternate Mode(以下、DisplayPort Alt Mode)は、VESA(ビデオエレクトロニクス規格協会)が2014年9月に発表した、USB Type-Cコネクター/ケーブルでDisplayPortの映像信号を伝送するための新しい規格だ。
ケーブルの裏表どちらを差し込んでも動作するリバーシブル構造を持つUSB Type-Cは、2015年4月に発売されたApple「MacBook」に搭載されたことでも話題となった。USB Type-Cには、データ信号線を別のI/O規格のポートとして使用できる、「Alternate Mode」と呼ばれる仕様がある。この動作モードを使った規格として、VESAが開発したのが、DisplayPort Alt Modeだ。DisplayPort 1.2/1.3/1.4*)に対応した映像信号を、USB Type-Cケーブル経由でディスプレイや端末に出力できるようになる。
*)DisplayPort 1.4は、2016年3月に公開されたばかりの最新バージョンである。
VESAの他にも、Intelが「Thunderbolt 3」、MHL(Mobile High-definition Link)が「MHL Alternate Mode」を提唱している。
DisplayPort Alt Modeは、4本のSuperSpeed USBレーンの一部あるいは全てを使ってDisplayPortの全機能を実現する。さらに、USB Type-Cの他の信号を使って、DisplayPortのAUXチャンネルとホットプラグ検知(HPD)機能も実現している。
VESAは、USB-IF(Implementers Forum)と協力してDisplayPort Alt Modeのコンプライアンステストを開発し、VESAのメンバーがそのテスト仕様(CTS:Compliance Test Specification)を審査している。VESA Compliance Program ManagerのJim Choate氏によると、CTSの発行は2016年第3四半期を予定しているという。同氏は「このCTSを策定した目的は、USB Type-CとDisplayPort Alt Modeの両方のコンプライアンステストを、同じATC(認証テストセンター)でテストできるようにすることだ」と述べた。
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