現在の最先端プロセスの筆頭ともいえるFinFETトランジスタにも、新たな試練は待ち受けている。
IMECのプロセス技術部門でシニアバイスプレジデントを務めるAn Steegen氏は、「FinFETトランジスタの物理的な限界は、高さが約40〜45nm、幅が14〜18nm、奥行きは4〜5nmとみている。同氏は、「その限界を超えると、Fin(フィン)の利点を十分に得ることはできない」と述べ、上記のサイズであれば、ファウンドリーが“7nmノード”と呼ぶであろう範囲にたやすく収まるだろうとした。
Patton氏は、「FinFETから引き出せる能力は、まだまだある。私は、7nmプロセスで真の進歩を見込んでいる」と述べた。同氏は、Intelが開発したような、より高くより薄いFinFETを製造すること以外にも、フロント、ミドル、バックエンド工程で使えそうなテクニックがあると述べた。「試せることは多い」(Patton氏)
Patton氏は、GLOBALFOUNDRIESが7nm FinFETにSiGe(シリコンゲルマニウム)を用いる可能性があることを示唆した。このような手法は、同氏がかつて所属していたIBMの研究チームが発表した論文でもテーマになっていた。それ以外にも、Patton氏は、EUVでFinFETの性能を高めることにも見込みがあるという。
GLOBALFOUNDRIESは、FinFET(左)とFD-SOI(完全空乏型シリコン・オン・インシュレーター、右)以外に、画像中央に示されているような他の技術を用いたトランジスタも開発している(クリックで拡大) 出典:GLOBALFOUNDRIESプロセスエンジニアたちは、得られる限りの技術が必要になるだろう。7nmプロセスでは、少なくともクアッドパターニングを用いた層が2層、トリプルパターニングを用いた層が複数、必要になると考えられている。Steegan氏は、もしファウンドリーが正しい(微細化の)ピッチを適用すれば、EUVリソグラフィーは大いに役立つだろうと語った。
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【翻訳:青山麻由子、編集:EE Times Japan】
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