Xilinxは2016年6月、4つのメガトレンドに対する取り組みを発表した。“ALL Programmable”をテーマに、CPUコア搭載FPGA『Zynq』シリーズなどを展開する同社。ワイヤレス分野では、多くの要件が求められる5G向けに7nm製品を2016年度中に発表する予定としている。
Xilinxは2016年6月、4つのメガトレンドに対する取り組みを発表した。同社がメガトレンドに挙げるのは、「クラウドコンピューティング」「エンベデッドビジョン」「インダストリアルIoT(モノのインターネット)」「5Gワイヤレス」の4つである。
Xilinxコーポレートストラテジー&マーケティング部シニアバイスプレジデントのSteve Glaser氏は、「メガトレンドに対するポートフォリオとして、“ALL Programmable”をテーマに、CPUコア搭載FPGA『Zynq』を展開してきた」と語る。
また、開発環境「SDx」を提供。FPGAの設計知識が少ない開発者でも、Cベースのプログラミング言語を使用してハードウェアを生成することを可能にした。
Steve氏は、ALL Programmableデバイスの優位点として、CPUと比較して単位ワット当たりの性能が10〜35倍であることや、スケーラブルなセンサーフュージョン、シングルチップによる安全性などを挙げる。クラウドコンピューティング分野では、3D技術を用いた高速DRAM「HBM」と、テロジニアスコンピューティング向け接続技術「CCIX」*)を統合した16nm「Zynq UltraScale+」のロードマップを拡充する。
*)CCIC(Cache Coherent Interconnect for Accelerators):Xilinxを含めた7社で、オープンなアクセラレーションフレームワークの導入に向けて、仕様策定を進める接続技術。同社のリリースによると、CCIXによってFPGAなどのアクセラレータとプロセッサがコヒーレントにデータ共有することが可能になるという。
エンベデッドビジョン分野では、自動車向けにZynqシリーズの普及拡大が進んでいるとする。Zynqシリーズは、エッジでのリアルタイム画像認識、分析を可能にするARMベースのプロセッサと、スケーラブルなセンサーフュージョンが可能になるFPGAを内蔵。Steve氏は「1チップに統合していることにより、高い安全性も実現しているため、最高のエンベデッドビジョン向けプラットフォームを提供できる」と語る。
ADAS(Advanced Driver Assistance System)向けには、2013年に9メーカー/13モデルの自動車へ出荷だったのに対して、2015年には19メーカー/64モデルへと拡大した。2016年は、23メーカー/85モデルまで出荷数が拡大すると予測している。
インダストリアルIoT分野にも、スケーラブルなセンサーフュージョンやシングルチップによる安全性、高いコネクティビティなどを強みにビジネス拡大を狙えるとした。
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