共同研究において京セラは、これまで培ってきた微細加工技術や生産技術を応用して、細胞加工機器の開発を行う。この結果、従来は手作業で行ってきた再生毛包原基の作製工程を自動化することができ、大量生産が可能になるという。
京セラの執行役員で研究開発本部長を務める稲垣正祥氏は、「京セラグループの総合技術力を生かして、再生医療の研究開発に着手する。今回の共同研究はその第一弾となる。注目を集める再生医療分野に貢献していきたい」と話す。
理化学研究所とオーガンテクノロジーズは、毛包由来幹細胞の培養・増幅技術、人への臨床応用に向けた細胞操作技術の開発、製造工程の確立、モデル動物を用いた前臨床試験などを行っていく。また、事業化に向けて京セラとオーガンテクノロジーズは、医療機関から受け取った少量の毛包から幹細胞を分離し、培養、増幅して再生毛包原基を製造する受託製造会社を立ち上げていく予定だ。
オーガンテクノロジーズの社長を務める杉村泰宏氏は、「当社は、辻氏の研究成果の知的財産管理と、それを活用した研究開発及び事業化を推進している。京セラを含めた共同研究の体制を整えたことで、器官原基製造の機械化、大量生産が可能となる。再生医療分野が産業として大きく前進することになろう」と述べた。
共同研究チームは、2018年までに細胞加工装置の開発や受託製造体制を確立し、早ければ2020年にも、毛包器官再生による脱毛症の治療を実用化していく考えである。
磁気モーメント間の相互作用、スピン流が関与
Google Glassが“バーチャル専門医”に?
京セラ、日本インターを吸収合併へ
強誘電体中の新たな量子現象、理研などが発見
ドーム型の太陽電池/EL素子、ESC法で試作
スイスの大学が電子脊髄を開発、まひの治療応用に期待Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.
記事ランキング