ADIがLinear Technologyを148億ドルで買収:アナログ大手がライバルを
Analog Devices(ADI)が、Linear Technologyを148億米ドルで買収すると発表した。
アナログ半導体の大手Analog Devices(ADI、アナログ・デバイセズ)は2016年7月26日(米国時間)、同社のライバルでもあるLinear Technology(リニアテクノロジー)を買収することで合意したと発表した。買収額は148億米ドル(約1.5兆円)相当になる見込みで、2017年上半期に完了する予定だとしている。
【続報】衝撃の「ADIのリニア買収」背景と今後
市場調査会社であるIC Insightsによると、2015年におけるアナログICサプライヤーの売上高ランキングでADIは4位、Linear Technologyは8位だった。買収後は同市場で9%のシェアを獲得することになり、18%のシェアを持つTexas Instruments(TI)に次ぐ2位となる。
IC Insightによる2015年のアナログICサプライヤーランキング 出典:IC Insights
アナログ半導体業界に詳しいアナリストおよびジャーナリストであるSteve Ohr氏によると、ADIとLinear Technologyは、同市場でともにトップ10内にランクインするメーカーでありながら、製品は補完関係にあるという。
2015年におけるADIの売上高は26億7000万米ドルで、そのほとんどはデータコンバーターからきている。パワーマネジメント関連の製品は1億5000万〜2億米ドルしかない。一方でLinear Technologyはパワーマネジメント製品に強みを持っている。Ohr氏は「パワーマネジメント製品は、ADIにとって欠けている要素だった」と述べている。
- 衝撃の「ADIのリニア買収」背景と今後
日本時間2016年7月27日の朝、国内半導体業界にも衝撃が走った。営業利益率4割を超える超優良半導体メーカーLinear Technology(リニアテクノロジー)が、Analog Devices(ADI、アナログ・デバイセズ)に買収されることで合意したという。業界関係者は「まさかリニアが!」と驚くとともに、「なぜ、リニアが?」と首をひねった――。
- ソフトバンク史上最大の賭けに出た孫氏の思惑
なぜ、ソフトバンクはARMを買収したのか? 狙いはどこにあるのか? いろいろな見方が広がっている中で、いま一度、ソフトバンクが行ってきた大きな投資を振り返りながら、ARM買収の意味を考えた。
- Infineonによる“CreeのSiC事業買収”の狙い
Infineon Technologiesは2016年7月21日、このほど発表したCreeのSiCウエハー/デバイス事業に関する説明を行い、SiCデバイスとともに、SiCウエハーの外販を強化していく方針を明らかにした。
- 携帯電話用半導体を巡って繰り広げられた「ババ抜き」
2000年代後半から2010年代前半にかけて、携帯電話機用半導体事業の売買が企業間で繰り返された。今、思えば本格的なスマートフォン、チップセット時代の到来を目前に控え、携帯電話機用半導体事業という「ジョーカー」を巡る「ババ抜き」だったのかもしれない――。
- NXP、汎用ロジック/ディスクリート事業売却
NXP Semiconductorsは2016年6月14日、中国の投資家コンソーシアムに、スタンダード・プロダクト事業部門を約27億5000万米ドルで売却することで合意したと発表した。
Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.