富士キメラは2016年7月、コネクターの世界市場に関する調査結果を発表した。同調査によると、2020年のコネクター市場は、2015年比10.6%増となる2兆8453億円になると予測している。自動車の車載電装化の進展と、民生機器向けにUSB Type-Cの需要増加により、市場が拡大するという。
富士キメラは2016年7月、コネクターの世界市場に関する調査結果を発表した。同調査結果では、2020年のコネクター市場は2015年比10.6%増となる2兆8453億円になると予測した。民生機器と産業機器で採用される「汎用コネクター」と、自動車と鉄道インフラ向け「専用コネクター」、それぞれの市場が拡大するという。
汎用コネクターでは、民生機器向けにUSB Type-C(Type-C)の採用が増加し、2016年から大きく伸びるとみられている。USBコネクターだけでみると、2015年はPC向けに加えて、スマートフォンやタブレット端末向けも落ち込んだことで、市場は縮小した。しかし、Type-Cによって、PCやスマートフォンでの切り替えと、AV機器やAC電源などへの新たな採用が進むとする。これにより、2016年のUSBコネクター市場は884億円と見込むが、2020年に1816億円(2015年比97.4%増)になると予測している。
産業機器向けも、製造業でロボットの導入が増加し、市場が伸びると予測。防水、耐熱性などの要求の高まりで、カスタム製品の比率が高く、単価も上昇しているという。
専用コネクターでは、自動車向けの割合が圧倒的に高い。車載電装品の増加によって、車載用電子制御ユニット(ECU)、センサー、ワイヤハーネスの搭載個数が増加しており、自動車向けコネクターは今後も伸びると予測されている。2016年の市場は1兆6832億円になる見込みで、2020年予測は1兆7591億円(2015年比7.9%増)になるとする。
なお、富士キメラでは、今回の調査結果を報告書「2016 コネクター関連市場の現状と将来展望」にまとめている。汎用コネクター12品目と専用コネクター5品目のほか、コネクター関連材料として基材、端子材料など3品目、コネクター関連製品としてワイヤハーネス、通信ケーブルなど3品目が調査対象である。
また、コネクターのアプリケーション分野から9品目、注目用途としてデータセンター、IoT(モノのインターネット」など6分野の市場動向をまとめたとしている。
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