米調査会社が2015年の世界CMOSイメージセンサー市場規模と2020年までの市場規模予測を発表した。2015〜2020年にわたり、年平均9%の伸び率で、CMOSイメージセンサー市場は拡大するという。
米調査会社のIC Insightsによると、2015年のCMOSイメージセンサー市場の世界売上高は、成長率12%で伸び、99億米ドルに達したという。これで同市場の売上高は、5年連続で過去最高を記録したことになる。同市場の成長傾向は、この先5年間にわたり続いていく見込みだが、年平均成長率(CAGR)については伸び悩むとみられている。
IC Insightsの予測によると、CMOSイメージセンサー市場は、2020年まで成長の一途をたどり、2015〜2020年のCAGRは9%となる見込みだ。また、2010〜2015年の5年間における同市場の売上高は、2008〜2009年の深刻な景気後退からの回復による良い影響を受けたこともあり、年平均17%で成長したという。
これまでCMOSイメージセンサー市場が成長し続けてきた背景には、スマートフォンやデジタルカメラで低価格帯のCMOSイメージセンサーが採用されるようになったということがある。現在も、自動車やセキュリティ機器、医療機器などにデジタルイメージングが搭載されるようになったことから、さらなる成長が続いている。
CMOSイメージセンサーの用途先として最も高い成長が期待されているのが、自動車向けシステムだ。その世界売上高は、今後5年の間に年平均55%増で伸び、2020年には22億米ドル規模に達するとみられている。これは、CMOSイメージセンサー市場全体の売上高152億米ドルのうち、約14%に相当する。
IC Insightsによると、自動車向けシステムの他にも、セキュリティ/監視機器(CAGR 36%、売上高9億1200万米ドル)や、医療/科学向け用途(CAGR 34%、売上高8億6700万米ドル)、玩具/ビデオゲーム(CAGR 32%、売上高2億7400万米ドル)、産業用システム(CAGR 18%、売上高8億9700万米ドル)などの分野が挙げられるという。自動車に搭載されるイメージセンサーの数は、最終的には10個以上に達するとみられ、同乗者を監視したり、潜在的な事故を検知すべく周囲を監視したりする他、路上で衝突などの事故が発生した場合に映像を録画するためなどで活用されるだろう。
現在、CMOSイメージセンサーの最大の用途先となっているのが、カメラ機能付き携帯電話機/スマートフォン(カメラフォン)向けだ。今後1%のCAGRで伸び、2020年の売上高は73億米ドル規模に達するとみられている。CMOSイメージセンサー市場全体に占めるカメラフォンの割合に関しては、2015年の70%に対し、2020年は48%に減少する見込みだ。PCやタブレットPCに搭載されるカメラモジュールで使われるCMOSイメージセンサーの売上高は、今後約6%のCAGRで伸び、2020年には9億7300万米ドルに達するとみられる。一方、純粋なデジタルスチルカメラ/デジタルビデオカメラ向けのセンサーの売上高は、今後数年間で6億2300万米ドルとなる見込みだ。
【翻訳:田中留美、編集:EE Times Japan】
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