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データセンター/エンタープライズの性能を支えるSSD福田昭のストレージ通信(41) Micronが考えるメモリシステムの将来(5)(1/2 ページ)

今回からはデータセンター/エンタープライズ用のメモリシステムを解説する。データセンターの各クラスタで使われるフラッシュストレージや、サーバ向けとストレージ向けで使われるメモリを紹介する。

» 2016年08月02日 11時30分 公開
[福田昭EE Times Japan]

データセンターを構成するクラスタとストレージ

 「国際メモリワークショップ(IMW:International Memory Workshop)」のショートコースで、Micron TechnologyのFellowであるWill Akin氏が、「Memory System Overview」と題してメモリシステムの現状と将来を用途別に解説した。その内容を紹介するシリーズの第5回である。

 前回までは、モバイル・デバイス用メモリとクルマ用メモリについて説明した。今回からは「データセンター/エンタープライズ」用のメモリシステムを解説する。

 Akin氏は始めに、データセンターの構造と各クラスタで使われるフラッシュストレージを説明した。クラスタには「データを永続的に保存するクラスタ」「アプリケーションクラスタ」「仮想化クラスタ」「StorePute」がある。

 「データを永続的に保存するクラスタ」は、ネットワーク接続の外部ストレージである。具体的には、SAN(Storage Area Network)接続のブロックストレージと、NAS(Network Attached Storage)接続のファイルストレージがある。ここでは物理的なストレージに、SAS/SATAインタフェースのSSDが使われる。

 「アプリケーションクラスタ」では、サーバに直接接続するDAS(Direct Attached Storage)、あるいはローカルSAN接続のストレージが使われる。ここでは物理的なストレージに、SAS/SATA/NVMeインタフェースのSSDが使われる。

 「仮想化クラスタ」、すなわち仮想化サーバ(VMサーバ)のクラスタでは、OSの異なる複数のサーバを仮想化したプラットフォームでアプリケーションが動く。ここではSAS/SATA/NVMe SSDやM.2タイプのSSDといったさまざまなフラッシュストレージが使われる。

 最後のクラスタは、データの近くでコンピューティングを実行する「StorePute」と呼ぶクラスタである。ストレージの近くでコンピューティングを実行することで、データ転送による遅延を短くする。ここでは3D Xpointのような高速なメモリと、SAS/SATA/NVMe SSDのストレージを組み合わせる。

データセンターの構造とフラッシュストレージ(クリックで拡大) 出典:Micron Technology

サーバ向けメモリとストレージ向けメモリ

 Akin氏はそれから、データセンターのサーバ向けメモリとストレージ向けメモリを説明した。サーバのシステムメモリには、DRAMが使われる。DRAMのタイプはDDR3タイプあるいはDDR4タイプ。DRAMを載せるモジュールは、RDIMMやECC付きUDIMMなどである。

 ファームウェアとOSを格納するメモリは、パラレル入出力のNORフラッシュメモリあるいはNANDフラッシュメモリ、シリアル入出力のNORフラッシュメモリなどである。BMC(ベースボード管理コントローラー)ファームウェアの格納には、eMMCやμSATA SSD、M.2 SSDなどが使われる。

 ストレージ向けには、SATA接続のSSDがよく使われる。記憶容量は128Gバイト〜32Tバイト、SATAインタフェースの速度は6Gビット/秒である。高速のストレージには、PCIe接続のSSDが載る。インタフェースはPCIe NVMe Gen3である。

サーバ用メモリとストレージ用メモリ(クリックで拡大) 出典:Micron Technology
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