マクニカは2016年9月7日、「Mpression IoTメッシュネットワーク・スターターキット」の発売を開始すると発表した。同キットを活用することで、屋内環境下で信頼性の高いメッシュネットワークを容易に構築できるという。同キットを発案、開発した甲斐田陽一氏にインタビューを行った。後半では、同社の独自ブランドとして注力する「Mpression」事業についても紹介する。
マクニカは2016年9月7日、信頼性の高いメッシュネットワークを容易に構築できる「Mpression IoTメッシュネットワーク・スターターキット」の発売を開始した。同キットは、親機となるLinear TechnologyのUSBネットワークマネジャー「DC2274A」と、子機であるマクニカ開発の無線センサー端末「EH-Terminal-B」を5台、PC上でログを取得するためのWindowsアプリケーション「Data Lpgger」で構成されている。
子機のEH-Terminal-Bは、Texas Instrumentsの照度センサー「OPT3001」、Silicon Labsの温湿度センサー「Si7021」を搭載。無線通信は、Linear TechnologyのDust Networks(SmartMesh IP)を活用している。同キットでは照度、温度、湿度を定期的にモニタリングすることが可能となっている。
EH-Terminal-Bは、単四形アルカリ乾電池2個で動作し、30秒に1回の通信で1年程度の寿命を持つ。オプションで、色素増感太陽電池で動作する子機も選択することも可能だ。使用温度範囲は0〜50℃。オフィスや工場などの屋内環境におけるモニタリング機器を導入する際の小規模な事前検証を短期間、低予算で実施できるという。
同キットを発案、開発したマクニカの子会社であるアルティマ第2統括部の技術2部で部長代理を務める甲斐田陽一氏は、「メッシュネットワークは、普及の段階にまだ来ていない。これからはやると思うが、疑心暗鬼になっている人もいるだろう。同キットを活用することで、ワンパッケージで手軽に体験できる」と語る。
同キットを活用するまでに必要な流れは、PCに必要なソフトウェアをダウンロード、PCに親機をUSB接続、子機のメインスイッチを入れるだけである。この3つの作業だけで、勝手にメッシュネットワークが構築され、親機にデータが集まり始めるのだ。
取得したデータは、Data Lpggerを通してテキストベースでモニタリングできる。マクニカ子会社であるマクニカ・ネットワークスが取り扱うSplunkのデータ分析プラットフォーム「Splunk」を連携することで、データの可視化が可能になる。
無線通信にDust Networksを用いた理由については、「メッシュネットワークを構築する事前の設定において手間が掛かららず、自律的にネットワークの最適化が行われる。また、ネットワークの時刻同期により消費電力を抑えられることや、産業向けのため通信の接続信頼性が非常に高いことが挙げられる」(甲斐田氏)とした。
同キットの価格はオープンとなっている。販売は、アルティマが行うとしている。
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