ドイツの大手自動車メーカーは通信機器メーカー、半導体メーカーらとともに、5G(第5世代移動通信)とコネクテッドカーの開発に注力する団体「5G Automotive Association」を結成した。
Audi、BMW、Daimlerは、通信機器メーカーのEricsson、Huawei、Nokia、半導体メーカーのIntel、Qualcommと「5G Automotive Association(5GAA)」を結成した。各社の研究開発リソースを統合することで、コネクテッドカー向け通信ソリューションの発展やテスト、促進に取り組む方針だ。
この取り組みは、5G(第5世代移動通信)技術の開発に注力するものとなる。
5GAAは、通信ソリューションの開発やテスト、5G標準化のサポートに取り組み、5Gの実用化の加速に貢献すると発表した。
これらの通信ソリューションでは、コネクテッドカーの安全性の向上や、スマートシティーにおける輸送ソリューションとの統合などを目指していて、ユーザーに恩恵をもたらすものと考えられる。さらに、当然のことながら、同団体で開発される技術は自動運転車にも応用できるものだ。
これらの企業が目指す5Gモバイルネットワークには、V2X(Vehicle to Everything)アプリケーションも含まれるようになる。ただし、そのベースとなる規格は、現在数多くの事業者に支持されて幅広く普及しているIEEE 802.11pではなく、既に開発されている「C-V2X(Cellular V2X)」になる見込みだ。
これらの新たなソリューションは、5GAAに参加する企業だけでなく、自動車産業やICT産業にも、技術的な機会やビジネスチャンスをもたらすといえる。
5GAAでは、重要な技術課題や規制問題に取り組む他、次世代のモバイルネットワークの活用、自動車プラットフォームへのコネクティビティ、ネットワーキングおよびコンピューティングソリューションの統合も行う計画である。
5GAAの主な活動には、使用事例や技術要件の定義や調整、標準化プロセスの促進、そして、相互運用性テストや大規模な実証実験を目的とした共同プロジェクトの運営などが含まれる。
もう1つ、重要なテーマとして、セキュリティ問題やプライバシー問題、分散型クラウドアーキテクチャなど、接続性要件に取り組むことが挙げられる。
5GAAによれば、同団体の活動に興味のある企業を受け入れていく方針だ。既に複数の企業から、活動に参加したいという申し出があるという。
BMWのエレクトロニクス部門でシニアバイスプレジデントを務めるChristoph Grote氏は、「われわれは、5Gが次の10年のモバイル通信規格として世界に普及すると見込んでいる。自動車業界にとって重要なのは、5Gが、自動車のデジタル化時代の課題と、自動運転の課題を解決する糸口になるのではないかという点だ」と述べた。
【翻訳:青山麻由子、編集:EE Times Japan】
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