呉氏は、設備投資や組織再編構想について言及。設備投資については、「ここ2〜3年の構造改革の中で余剰の生産設備を削減してきたが、現在は、旺盛な需要により相当頑張らないと供給できない状況になり、一部では積極的に設備投資を行って需要に応えている状況」(呉氏)と説明した。しかし、「中長期的な投資レベルとしては、想定していたよりも少し高いと思っている。そのため、工場の増床や新設などは行わず、今あるクリーンルームを有効活用するなどの設備投資にとどめる」としている。
先端の微細プロセス(28nmプロセス採用車載マイコン)の生産に関しては、設備投資が多く必要なため、TSMCとのパートナーシップにより開発、製造を進めていく。信頼性が求められる車載向けのプロセスや、すり合わせが必要なアナログ向けプロセスなど、プロセス自体が競争力を持つものは、自社工場を活用していくようだ。
2017年上半期中の買収完了を目指すIntersilとの統合作業は、ドイツ、米国、韓国の公正取引委員会から承認を得ていることを明かした。全体スケジュールに変更はなく、2017年上半期に買収完了に必要な全ての条件が充足される見込みという。統合後の計画も両社主要メンバーを交えて協議中とのことだ。
呉氏は、「Intersilとの統合を良いきっかけにして、意思決定の迅速化を進めたい。いちいち会社全体で意思決定をするのではなく、ビジネスオーナーシップの明確化して、事業本部単位で小さいPDCAを回す組織体制へと変えていく」と語った。
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