人と車つなぎ事故防ぐ? 靴にセンサーを入れてみた : ET2016速報レポート
ルネサスイーストンは、「Embedded Technology 2016」「IoT Technology 2016」(2016年11月16〜18日/パシフィコ横浜)で、環境発電で動作する無線通信規格「EnOcean」対応する靴センサーを用いた交通事故の予防予知ソリューションのコンセプト展示を行った。
ルネサスイーストンは、2016年11月16〜18日にパシフィコ横浜で開催されている「Embedded Technology 2016(ET 2016)」「IoT Technology 2016」で、靴センサーを用いた交通事故の予防予知ソリューションのコンセプト展示を行った。
同ソリューションは、環境発電センサーを内蔵した靴とゲートウェイで構成される。電波強度によって、だいたいの距離を計測。人が危険な位置にいる場合に、ゲートウェイを通じて、フロントガラス上のヘッドアップディスプレイに危険アラートを表示するといった流れだ。担当者は、「V2Xなどの車車間/路車間はあるが、人と車をつなぐ方法がないため今回の展示を行った。しかし、自動運転時代を見据えたソリューションであり、あくまでコンセプトになる。実現には、自動車メーカーをはじめ、ゲートウェイをあらゆる場所に設置するためにインフラ関係の企業とも協力する必要があるだろう」と語る。
環境発電センサーを内蔵した靴のカットモデル (クリックで拡大)
環境発電には、928MHzの無線規格「EnOcean」に対応したスター精密の振動発電式センサーが活用されている。EnOceanの特長は、エナジーハーベスティング(環境発電)技術を活用しているため、電池レスでセンサー情報を読み取り、無線通信ができることだ。屋内での送信距離は30〜50m、屋外での送信距離は200〜300mとなっている。靴センサーでは、歩くときの微小な振動エネルギーを活用して発電している。
ドイツに本社を持つEnOceanが基本特許を持っており、Siemensの中央研究所で研究を行っていたメンバーが独立して2001年に設立されている。担当者によると、「欧州では、HEMS(Home Energy Management System)やBEMS(Building Energy Management System)などを中心に普及が進んでいる」という。
展示ブースでは、EnOcean対応の靴センサーを履いた3人が常に歩き回っていても、電波の強度によって、受信機までの距離を計測できている様子が見られた。
展示ブースで行われているデモの結果 (クリックで拡大)
ルネサスイーストンは、半導体や電子部品を扱う商社として、サイミックスやPressacなどにおけるEnOcean対応の温度/人感/CO2 センサーの拡販を進めている。担当者は、「当社の売り上げはルネサス エレクトロニクスの製品が7割を占めるが、新規事業としてIoTに注力している。EnOcean対応センサーもその1つである」と語った。
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