Huawei(ファーウェイ)が開催したプライベートイベント「第7回グローバル・モバイル・ブロードバンド・フォーラム」で、ソフトバンクは、NB(Narrow Band)-IoTを使った屋外デモを実施した。電波の免許を取得してNB-IoTのデモを屋外で行うのは「国内初ではないか」と同社は述べている。
Huawei(ファーウェイ)は2016年11月24〜25日、プライベートイベント「第7回グローバル・モバイル・ブロードバンド・フォーラム」を幕張メッセで開催した。同イベントにおいてソフトバンクは、NB(Narrow Band)-IoTのデモを行った。
NB-IoTは、3GPPが規格策定を行うIoT(モノのインターネット)向けの低消費電力ネットワーク、いわゆるセルラーIoTの1つだ。NB-IoTの規格策定は2016年6月に完了している。
デモでは、NB-IoTを使ったスマートパーキングのシステムが披露された。駐車場にNB-IoT対応のセンサー(パーキングセンサー)を設置し、駐車状況をNB-IoT経由でクラウドに送信することで、駐車場の管理や課金などのサービスを実現するというもの。センサーには、NB-IoT対応の通信モジュールが搭載されている。今回は、900MHz帯を使用した。
デモの構成。パーキングセンサーの情報は、NB-IoT経由でクラウドに送信される。これにより、スマートフォンの専用アプリを使って、駐車場を予約したり、駐車料金を支払ったりすることができる。図中の「IoTサーバ」「パケットコア」「900MHz帯実験局」の3つが、基地局に搭載されている(クリックで拡大)
左=NB-IoT通信モジュールのプロトタイプ(写真上と下)。今回のプロトタイプはu-bloxのNB-IoTチップ(写真中央)を用いてモジュールを開発した/右=NB-IoTセンサー。アンテナ、NB-IoTモジュール、金属センサー、リチウムイオン電池が搭載されている。この電池で10年持つという(クリックで拡大)ソフトバンクは現在、5G(第5世代移動通信)の導入に向けて、最新の通信技術をユーザーに提供する「5G Project」を開始している。2016年9月にはその第1弾としてMassive MIMO(大規模MIMO)の商用サービスを、全国都市部にある100個の基地局でスタートした。適用エリアは順次拡大していく予定だ。
5G Projectの第2弾となるのがセルラーIoTネットワークの提供である。ソフトバンクは今回デモを行ったNB-IoTの他、同じセルラーIoTである「LTE-Cat 1」「LTE-Cat M」を、2017年夏から順次、全国に展開していく計画だ。その際、900MHz帯と2.1GHz帯のデュアルバンドを使用する予定だという。なお、ソフトバンクによれば、今回デモを行ったスマートパーキングは、あくまで用途の一例であり、2017年に実際にセルラーIoTネットワークの提供を開始する際、どのようなサービスを展開するかは、決まっていないという。
| LTE Cat 1 | LTE Cat M | NB-IoT | |
|---|---|---|---|
| 周波数帯域幅 | 1.4M〜20MHz | 1.4MHz | 200kHz |
| 通信速度 | 下り10Mbps/上り5Mbps | 下り1Mbps/上り1Mbps | 下り28kbps/上り63kbps |
| 電池寿命 | 数年〜10年 | 数年〜10年 | 10年以上 |
| アンテナ | − | 単一 | 単一 |
| リンクバジェット | − | +15dB | +20dB |
| 「LTE-Cat 1」「LTE-Cat M」「NB-IoT」の主な特長。ソフトバンクの資料を基に作成 | |||
ソフトバンクがLTEモジュールを発表 IoT加速へ
標準化進むセルラーIoT、モジュールは低価格に
最初の照準は東京五輪、5G開発を加速する日本勢
“よく飛ぶ”無線モジュール、見通しで7km以上Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.
記事ランキング