MONSTER DTFはどのような用途に適しているのだろうか。「月間1000万台の実装が必要なスマートフォンでは従来の実装技術が有効だった。今後はIoTから、IoE(Internet of Everything)へと進んでいく。求められる生産の形は多品種変量だろう。このような現場に当社の製造装置が適する」(平田氏)
同社の実装技術は既に製品にも適用されている。「顧客の8割は海外メーカーだ。現在は国内20社とも取引があり、月間40社の実装受託を受けている。当社の手法はリードタイムが短く、材料調達にも課題がないため、100社まで増えても対応可能だ」(平田氏)
コネクテックジャパンのビジネスモデルは、実装受託(OSAT:Out Sourced Assemble&Test)ではなく、実装受託開発(OSRDA:Out Sourced Research&Development Assemble)だという。
「現在はベンチャーキャピタルから資金の提供を受けて、実装受託開発の規模を増やしている段階だ。2018年第3四半期か第4四半期を視野に上場を検討しており、上場後は今回の製造装置やプロセスの販売を考えている。2〜3年後に求められる技術要求を先取りしてつかむことができるため、上場後も実装受託開発ビジネスを続ける考えだ」(平田氏)
MONSTER DTFで採用した実装技術「MONSTER PAC」は、後ほど説明するように、加工時に必要な接合荷重と、接合温度がいずれも低いという特徴がある。「現在実現している低い接合荷重で、当面の間はどのような実装にも対応できる。改善が必要なのは接合温度だ」(平田氏)
業界標準のフリップチップ実装の接合温度は230〜260℃。同社の技術を利用すると170℃で接合が可能だ。現在、接合温度を120℃まで下げてサンプル出荷を進めているという。「80℃まで接合温度を下げることができれば、PETフィルムや有機ELトランジスタの実装にも十分対応できるため、この温度を目標に開発を進めている」(平田氏、図2)
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