Qualcommが「CES 2017」(2017年1月5〜8日)に合わせて、最新SoC「Snapdragon 835」を発表した。10nm FinFETプロセスを採用した、初のアプリケーションプロセッサとなる。
Qualcommは2017年1月3日(米国時間)、10nmプロセスを適用したスマートフォン向けアプリケーションプロセッサ(SoC:System on Chip)「Snapdragon 835」を発表した。ラスベガスで1月5日から開催される「CES 2017」で展示される。
Snapdragon 835のCPUは、Qualcommの独自コア「Kyro 280」を8個搭載している。動作周波数が最大2.45GHzのコアが4つ、同1.9GHzのコアが4つだ。DSPには、Googleが提供する機械学習ライブラリ「TensorFlow」と、組み込み型プログラミング言語Halideをサポートする「Hexagon 682」を搭載。さらに、ワイヤレス給電規格である「Quick Charge 4」をサポートしている。既存の「Snapdragon 821」に比べてパッケージは35%小型化し、電力効率は25%向上しているという。
モデムとしては、ダウンリンクでは最大で毎秒ギガビットクラスの通信速度を実現するLTE カテゴリー16と、アップリンクでは最大150Mビット/秒を実現する同カテゴリー13に対応する「Snapdragon X16 LTEモデム」を搭載する。
さらに興味深いのは、ARMベースのSnapdragon 835が、Windows 10をサポートするという点だ。Tirias Researchの主席アナリストであるKevin Krewell氏は、「これは大きなニュースだ。Intelにとっては脅威になるだろう」と述べている。
Snapdragon 835は現在量産中で、2017年前半に発売されるデバイスに搭載される見込みとなっている。
Moor Insight & Strategyのプレジデントを務めるPatrick Moorhead氏は、「Snapdragon 835は、AppleのSoCやAndroid端末向けSoCの中で、演算性能やグラフィックス性能、VR(仮想現実)/AR(拡張現実)性能ともに最も高いものになると思われる」との見解を述べた。
Snapdragon 835は、極めて革新的な機能を提供するわけではないかもしれないが、モバイル向けSoC市場におけるQualcommの地位を維持する製品となるだろう。
【翻訳、編集:EE Times Japan】
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