アンテナ設計の最適化ソリューション、提供開始:三菱マテリアル
三菱マテリアルは、「アンテナ設計の最適化ソリューション」の提供を始めた。アンテナ設計に関する十分な知識や経験がないIoT機器メーカーなどでも、無線通信機能搭載の製品を早期に開発できるよう支援していく。
三菱マテリアルは2017年1月、「アンテナ設計の最適化ソリューション」の提供を始めたと発表した。アンテナ設計に関する同社のノウハウや技術を生かし、顧客のアンテナ設計を支援していく。
同ソリューションは、無線通信機器の開発において顧客が抱えるアンテナ設計時の課題解決と、性能改善に向けた提案を行うサービスである。特に、アンテナの設計のとどまらず、自社で保有する専門設備を活用して、開発中の製品構造や部品レイアウトに対する評価や解析も行うなど、顧客に対して最適な開発環境を提供していく予定である。
具体的には、電波暗室を用いた2D/3D放射パターンの評価、総放射電力(TRP:Total Radiated Power)/総等方性受信感度(TIS:Total Isotropic Sensitivity)評価設備を用いたセルラー帯アクティブ測定による評価/解析、疑似人体モデルとリバブレーションチャンバーを用いた小型アンテナの放射効率測定及び人体への影響評価、3次元CADなどの設計データを活用した電磁界シミュレーション、などのサービスを提供する。
左は小型アンテナの放射効率測定を行うためのリバブレーションチャンバー、右は疑似人体モデル(頭部) 出典:三菱マテリアル
左は電磁界シミュレーション結果の一例、右は3次元(球面)測定システムの外観 出典:三菱マテリアル
同ソリューションの対象となる通信周波数は400MHz〜5GHz帯。代表的な製品としてスマートメーター装置、テレメーター装置、3G/LTEに対応するセルラーフォン/スマートフォン、GPS装置、BluetoothやWi-Fi対応機器などを挙げる。
同社は、アンテナ設計の最適化ソリューションに対応する専用ウェブサイトも開設した。具体的な事例などを専用サイトで確認することができる。同ソリューションの提供価格は、個別見積もりとなる。
- 一辺1200mm超える柱状晶シリコン製造技術を確立
三菱マテリアルは2017年1月、一辺が1200mmを超える「世界最大級」の柱状晶シリコン製造技術を確立したと発表した。2016年度中をめどに、サンプル出荷を開始する予定である。
- 複雑な高周波モジュールやアンテナ設計を効率化
AWR Japanは、「MWE 2016」で、RF/マイクロ波回路設計ソフトウェア「NI AWR設計環境」を用いた「マルチテクノロジーモジュールと増幅器設計」や「5G/レーダー向けフェーズドアレイアンテナ設計」などについて紹介した。
- 5Gを加速? モデルベース環境“MATLAB”の進化
技術計算ソフトウェアツール「MATLAB/Simulink」を提供するThe MathWorks。第5世代移動通信(5G)、IoT市場が拡大する中で、同社は「信号処理・通信」向けライブラリの機能を拡張し、「ビットからアンテナまでをサポートする」という。また、コード生成まで行う「ものづくりとしてのサポート」も進めることで、5G、IoT市場に価値の提供を行っていく。
- 複雑な3D形状にパターン形成する「MID」とは?
「MID」と呼ぶ、複雑な3D形状にパターンを形成する技術があるらしい。しかし、調べても調べても詳しい情報がなかなか出てこない。そこで、MID技術を用いたアンテナなどを展開するモレックスに、「MIDとは」「メリットは何なのか」「どんな製品に応用されるのか」について話を聞いた。
- 各国の携帯周波数に対応するフィルムアンテナ
NTTドコモは2016年11月14日、世界各国で使用されている主要な携帯電話通信用周波数に対応するフィルム型アンテナを開発したと発表した。
- 海水の噴射がアンテナになる技術、何に使う?
三菱電機は、海水を空中に噴出して生じる水柱をアンテナとして利用することで、電波を送受信できる海水アンテナ「シーエアリアル」を開発したと発表した。アンテナ効率は70%を実現。そのポイントとなるのは、同社が開発した絶縁ノズルの“空洞”にあるという。
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