ニュアンス・コミュニケーションズ・ジャパンは、車載インフォテインメント向け人工知能(AI)技術について、記者説明会を開催した。
ニュアンス・コミュニケーションズ・ジャパン(以下、ニュアンス)は2017年2月21日、車載インフォテインメント向け人工知能(AI)技術について、東京都内で記者説明会を開催した。この技術を用いると、安全運転に配慮しつつ運転者の好みなどを学習しながら、状況の変化にも対応した運転支援を実現することができるという。
ニュアンスは、AI技術と自然言語理解(NLU)機能を応用して、より高度で使いやすいサービスを運転者に提供するためのソリューション「Nuance Automotive Assistant」を提唱している。このシステムを利用すると、運転中に目的地周辺の駐車場を検索する場合、「○○(目的地)に近い駐車場を探して」と車室内のマイクに話しかけると、駐車場から目的地までの距離や駐車料金などの情報を検索し、画像や音声で知らせてくれる。
「駐車料金がもう少し安いところ」「もう少し距離が近いところ」などと指示すれば再検索して、利用者の好みに合った駐車場を選択することが可能となる。利用頻度が高まれば、利用者の好みを学習していくため、最初から利用者の条件に適した駐車場の選択を行うことができるという。
ニュアンスは、Nuance Automotive Assistantを実現するため、大きく4つのAI技術に注力して開発を行っている。音声認識や自然言語解析などの「スマートインタラクション」技術、機械学習による「パーソナライゼーション」技術、推論を行うための「文脈理解」技術、そしてデータやコンテンツなどをアクセスするための「ナレッジ」技術である。
ニュアンスでAIテクノロジープリンシパルプロダクトマネージャーを務めるMichael Kaisser氏は、「これらの中でも、特に重要となるのがパーソナライゼーションと文脈理解の機能である」と話す。例えば、パーソナライゼーション技術は、「ガソリン代が安いか」「会員となっているグループの給油所か」など、利用者にとって何が一番良い(快適な)選択かを学習していくことである。文脈理解の技術は、燃料の残量を見極めながら、最も効率的な走行ルートで到着できる給油所の検索など、周辺状況の変化に対応して何が(どれが)正しい判断かを理解することだという。
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