グループとしてメモリ事業、海外原子力事業の過半を手放す公算が高くなる中で、今後の経営方針として、社会インフラを核とした事業領域への注力を打ち出す。
2017年度中に、WHの非連結化などにより経営リスクを遮断するとともに、メモリ事業の売却などにより財務基盤の回復を図り、危機的状況を脱する計画。2018年度以降は、メモリ事業、海外原子力事業を除いた社会インフラを中心とした事業領域、4つの注力事業での安定成長を目指す。
海外原子力事業、メモリ事業を除いた東芝の2016年度売上高は3兆9634億円、営業利益は1416億円になる見通しで、綱川氏は「海外原子力事業以外は問題ない」と評価する。これを2019年度に売上高4兆2000億円、営業利益2100億円へ引き上げる。
注力事業は、公共インフラ、ビル施設、鉄道、産業システム向けビジネスで構成する社会インフラ事業、火力、水力発電、国内原子力で構成するエネルギー事業、メモリを除く半導体、HDDで構成する電子デバイス事業、ICTソリューション事業の4つ。中でも、社会インフラ事業に対しては、メモリ事業の売却で資金収支を黒字化した後、設備投資規模を従来よりも増額する計画。2016年度900億円だった社会インフラ事業への設備投資を、2017年度から2019年度の3年間は年平均1300億円を投じる。社会インフラ事業売上高を2016年度(見込み)1兆7700億円から、2019年度1兆9650億円へと拡大させる。
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