マイコンとしての機能強化とともに、無線機能の強化も実施。Bluetoothと独自プロトコルに対応する「Blue Gecko EFR32BG12」は、2Mビット/秒対応のBluetooth物理層を備え、新規格「Bluetooth 5」に適合できる仕様となっている。
EFR32xG12シリーズでは、Blue Gecko EFR32BG12の他、ZigBee、Thread、Bluetooth、独自プロトコルに対応する「Mighty Gecko EFR32MG12」、独自プロトコルに特化した「Flex Gecko EFR32FG12」もラインアップしている。
Silicon Labsは、EFR32xG12シリーズの出荷に合わせて、新たなSDKの提供を開始。新SDKでは、Wireless Gecko上で動作する無線プロトコルを任意に切り替えられる機能「スイッチド マルチプロトコル」が利用できるようになった。
これまでWireless Geckoは、マルチプロトコル対応ではあるものの、実際にWireless Gecko上に搭載するプロトコルスタックは1つだった。スイッチド マルチプロトコル機能は、Wireless Geckoに2つ以上のプロトコルスタックを搭載し、動作させるプロトコルを任意に切り替えられるもの。これまでプロトコルスタックによって異なっていたブートローダーを全て統一し、ブートローダーに起動するプロトコルスタックを選択する機能を持たせたことで実現したという。
スイッチド マルチプロトコル機能の応用例の1つとしてZigBee対応スイッチ連動型のLED電球を想定する。
工場出荷時のLED電球には、Bluetoothで起動するようにブートローダーに指示しておく。購入者には、LED電球に電源投入後立ち上がるBluetoothを利用し、スマートフォン画面でどのZigBee対応スイッチに連動させるかなどの初期設定を行わせる。初期設定完了の操作の際に、Wireless Geckoのブートローダーに次回起動時からはZigBeeを起動させるように指示し、再起動を行えば、LED電球はZigBeeでの通信を始めるというような利用法だ。これまでは2つの無線デバイスがないと実現できなかった無線の使い分けだが、スイッチド マルチプロトコル機能により1つのデバイスで対応できるようになる。
なお、ブートローダーへの次回起動時のプロトコル指示は、無線経由だけでなく、ハードウェアスイッチなども利用可能。先ほどのLED電球の例では、LED電球に初期化ボタンなどを備えることで、ZigBeeからBluetoothに起動プロトコルを戻すことができるわけだ。
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