日立LGデータストレージは、「第6回 IoT/M2M展」で、3D ToF(Time of Flight)センサー「HLS-LFOM1」のデモ展示を行った。個人のプライバシーを保護しつつ、安全、安心を実現することができるIoT(モノのインターメット)センサー製品である。
日立LGデータストレージは、「第6回 IoT/M2M展」(2017年5月10〜12日、東京ビッグサイト)で、3D ToF(Time of Flight)センサー「HLS-LFOM1」のデモ展示を行った。介護現場における見守りや小売店舗での顧客行動分析、不審者の行動パターン検知など、さまざまな用途を提案した。
3D ToFセンサーは、発光部に赤外線レーザーを、受光部にCCDイメージセンサーを用いている。レーザー光を被写体に照射し、それが反射してくる時間の違いで、センサーと被写体との距離を測定する仕組みである。
これらの機能によって、被写体までの距離をリアルタイムに検知し、人や物体を3Dデータとして取得することができる。QVGAのIR画像と同時に出力することも可能だ。距離の違いによって、「近いと赤色」「遠ければ青色」など、表示する色を変えることによって、その遠近感をわかりやすく可視化することができる。
3D ToFセンサーは個人を特定することなく、現場を「見える化」できる。人がすれ違ったり重なったりしても動線が切れにくい、などの特長を持つ。人数のカウントや動線追跡に加えて、店舗の棚に伸ばした人の手の動きや高さなども高い精度で検知することができるという。周囲の照明環境などに影響されず、物体検出ができるのも強みだ。
「ToFセンサーは、Microsoft製ゲーム機器『Xbox 360』の周辺機器『Kinect』にも搭載されている技術」(説明員)だという。今回は、8個のセンサーを1つの筐体に内蔵することで、測定可能な距離や範囲を拡大した。さらに、産業用途に対応できる製品仕様となっている。インタフェースは「Ethernet 100BASE-TX」を備え、高速通信と電源供給が可能である。
HLS-LFOM1の標準仕様は、測定距離が0.7〜約10m、画角は横方向が76°で縦方向は60°となっている。2mの距離における画像分解能はX/Y方向で6mm、Z方向で8mmである。解像度は640×480画素(10〜30フレーム/秒)で、解像度を下げて転送するデータを軽量化することも可能だという。
同社は、日立製作所の研究開発グループと共同で、骨格(スケルトン)を検知する機能を開発しており、体の動きも詳細かつリアルタイムでとらえることができる。これらのソフトウェアをセンサーに組み込むことで、検出した座標データや状態を直接クラウド側のサーバなどに送信することが可能となるという。
ブースでは、上部に設置したセンサーで、通路を歩く来場者の人数、歩く方向や速度の測定を行い、ディスプレイに表示した。また、パネル展示ではコンビニにおける顧客の動線監視や分析、事務所などへの入退出カウント、産業用ロボットや自動搬送車における位置検出など、主な事例や用途を紹介した。
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