メディア

EUVと液浸、FinFETとFD-SOI、GFの強みは2点張り2018年に7nmと12FDX立ち上げへ(2/3 ページ)

» 2017年06月01日 09時30分 公開
[竹本達哉EE Times Japan]

10nmスキップ「正しい判断」

EETJ GLOBALFOUNDRIESは2年半前に、14nm世代の次のプロセスとして、10nm世代を開発をせず、7nm世代の開発に着手する経営判断を行った。競合が10nm FinFETの量産を始めた今、2年半前の経営判断は正しかったと言えるのか。

Bartlett氏 10nm世代をスキップしたことによる痛みは一切なく、われわれの判断は正しかったと断言できる。

GLOBALFOUNDRIESの先端プロセス開発推移 (クリックで拡大) 出典:GLOBALFOUNDRIES

 10nm世代は、性能などで魅力に乏しく、“軽い世代”“短い世代”になるだろう。実際、10nm世代を選択している半導体メーカーが少ないことが、それを証明している。一方で7nmは、寿命の長いプロセスになる。

EETJ 7nm世代での性能見込みを教えてほしい。

Bartlett氏 14nm世代に比べて性能で言えば30%向上する。同一性能であれば消費電力は60%小さくなる。集積度も2倍になり、魅力的なプロセスになる。

12nm FD-SOIの開発も順調を強調

EETJ 7nm世代の量産開始を予定する2018年には、12nm世代のFD-SOIプロセスの量産開始も計画している。両CMOSプロセスの開発を並行させるのはなぜか。

Bartlett氏 FinFETプロセスは高性能コンピューティングを要求するサーバやハイエンドスマートフォン、ハイエンドADAS(先進運転支援システム)など向けデバイス用に開発している。一方で、FD-SOIプロセスは、費用対効果が高く消費電力が抑えられる上、RFや混載フラッシュを構築できる特長がある。こうした利点から、バッテリー駆動機器、IoT(モノのインターネット)端末、車載用マイコンなどに適している。FinFETとFD-SOIでは、ターゲットが異なる。

GLOBALFOUNDRIESのCMOS開発ロードマップ (クリックで拡大) 出典:GLOBALFOUNDRIES

 既に量産している22FDX(=GLOBALFOUNDRIESの22nm FD-SOIプロセスの名称)の立ち上げに着手した当時、FD-SOIには疑いの目が向けられていたが、今現在は、競合もわれわれと同じアプローチをとるようになっている。これはわれわれにとっては喜ばしいことだ。

EETJ 22FDXの後継プロセスとして、12FDXを開発を進めている。開発状況を教えてほしい。

Bartlett氏 2018年末の量産開始に向けて開発は順調だ。新技術を多く導入する7nm FinFETと違い、12FDXは、22FDXや14nm/7nm FinFETのノウハウ、知見をベースに開発できる。大きな技術課題があるわけではない。

EETJ 12FDXの性能、コスト競争力は、どのようになるのか。

Bartlett氏 12FDXは、プレーナー型トランジスタ、ダブルパターニングで実現する。性能は10nm FinFET相当、製造コストは14nm FinFET相当になる。

12FDXの概要 (クリックで拡大) 出典:GLOBALFOUNDRIES

Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.

RSSフィード

公式SNS

All material on this site Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.
This site contains articles under license from AspenCore LLC.