NAND型メモリフラッシュ市場は、2018年には需要と供給のバランスが、より安定した状態になるという。多くの主要サプライヤーは、3D(3次元) NANDフラッシュに移っている。
メモリチップ価格を追跡している市場調査会社のDRAMeXchangeによると、2018年、NAND型フラッシュメモリ生産が増強されて需要を満たすにつれ、同メモリ市場はより安定した状態になる見込みだという。
2016年第3四半期以降、NANDフラッシュの需要は、6四半期連続で供給を上回り続けている。DRAMeXchangeによると、NANDフラッシュの需要は、サーバ市場の好調ぶりとスマートフォンのメモリ容量の増加によって、2017年に入ってからも高まり続けているという。一方、供給は抑制されているが、その要因としてNANDフラッシュメーカーによる(主に3D(3次元) NANDフラッシュへの)技術移行が挙げられる。
DRAMeXchangeは、NANDフラッシュの2018年のビット成長率は約43%になると見込んでいる一方、ビット需要の成長率については約38%になると予測している。
DRAMeXchangeでシニアリサーチマネージャーを務めるAlan Chen氏によると、市場をリードするSamsung Electronicsを除くNANDフラッシュのサプライヤーは、3D NANDフラッシュの生産プロセスの改善に取り組んだことから、生産能力の損失に直面しているという
一方で、Chen氏は、2018年には64層および72層の積層技術が成熟するのではないかと見ている。スマートフォンやPCといった家電製品の生産が、2017年第4四半期のホリデーシーズン以降に大きく減少することから、市場は2018年第1四半期に一時的な供給過剰にシフトするという。
DRAMeXchangeは、3D NANDフラッシュが、2018年のNANDフラッシュの世界ビット生産量の70%を占めるようになると見込んでいる。
Samsungは、2017年第3四半期から、64層のNANDフラッシュの量産を開始した。DRAMeXchangeの予測では、2017年第4四半期には、3D NANDフラッシュは同社のNANDフラッシュ生産量の50%以上を占めるようになるという。2018年になると、この数値は60〜70%に達する可能性がある。
DRAMeXchangeは、SK hynixは現在、主に48層のNANDフラッシュを生産しているが、2018年には72層が大半を占めるようになると予測する。2017年第4四半期には、SK hynixのNANDフラッシュ全体の生産能力の約20〜30%が、3D NANDフラッシュで占められるようになるという。2018年第4四半期には、この数値は40〜50%に上昇する可能性があるようだ。
東芝とWestern Digital(ウエスタンデジタル)は、2017年上半期は主に48層の3D NANDフラッシュを製造した。
【翻訳:青山麻由子、編集:EE Times Japan】
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