こうすると、外部電界がゼロのときに、2つの状態が生じる。1つは、かなり大きな残留分極のある状態。もう1つは、ごくわずかに残留分極がある状態である。従って、外部電界を適切な範囲で変化させることで、「残留分極がほぼゼロに近い状態」と「残留分極が一定の大きさを維持する状態」の2つの状態を、外部電界をゼロにしたときに作り出せることになる。すなわち、不揮発性メモリを実現できることに等しい。
NaMLabおよびドレスデン工科大学などの共同研究グループは、この手法を二酸化ジルコニウム(ZrO2)の反強誘電体キャパシターに適用し、実際に記憶素子(キャパシター)を試作してみせた。その内容は、本シリーズの次回以降でご紹介したい。
(次回に続く)
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