小型で低消費電力のFPGAを手掛けるLattice Semiconductorは、クラウド市場に注力する他のFPGAベンダーとは明確に路線を分け、エッジ向けに力を入れる。
「高価で大型のFPGAを手掛ける他社は、クラウドやデータセンター市場をターゲットにしている。われわれLattice Semiconductorは、超小型FPGAで、エッジ市場を目指す」――。Lattice Semiconductor(ラティス・セミコンダクター、以下Lattice)のCOO(最高執行責任者)を務めるGlen Hawk氏は、2017年11月6日に開催された記者説明会で、Latticeの今後の成長戦略について、このように述べた。
Latticeは、クラウドやデータセンター市場に注力するXilinxやIntel(Altera)とは明確に路線を分け、モバイル機器を含むエッジをターゲットとする。Hawk氏は、「エッジにこそ、Latticeの成長機会がある。エッジは大きな市場であり、小型、低消費電力が求められるマーケットがほとんどだ。長年、モバイル機器で培ってきた当社の技術を生かせると確信している」と語り、「FinFETを使い、高性能で高価なFPGAを開発している他のベンダーとは反対に、当社はFD-SOI(完全空乏型シリコン・オン・インシュレーター)を使って小型、低消費電力に向かっている」と続けた。
Hawk氏は、「エッジにおいて、Latticeは、コントロール、コネクト(接続)、コンピューティングの3分野で製品を提供する」と話す。3つの中で、Latticeにとって最も確固たる基盤となっていものがコントロールだ。「MachXO2」や「iCE40 UltraPlus」などのコントロール用PLD(Programmable Logic Device)は、Latticeが30年以上手掛けている分野であり、2016年の売上高では全体の約半分に近い2億米ドルとなっている。
コネクトのところでは、Amazonのスピーカー型音声アシスタント「Amazon Echo Dot」や、HTCのVR(仮想現実)機器「Vive」などに、LatticeのFPGAが搭載されている。60GHz帯を使い、最大12Gビット/秒(bps)の双方向帯域幅を実現する無線コネクター技術「SiBEAM Snap」も、スマートフォンに採用されている。
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