アナリストコミュニティーは、「Mobileyeが開発したEyeQ5の性能は、NVIDIAのXavierを大きく下回っている」との見方で合意している。Demler氏は、「2つのEyeQ5は、単なるシステムの“目”として使われるのだろう。Intelは、間もなく発表予定のプラットフォームの頭脳に当たる部分には、SoC『Atom』を採用する予定のようだ」と述べている。
またDemler氏は、「EyeQは、ARMv8アーキテクチャベースのNVIDIAのカスタムCPU(Xavierには、これが8個使われている)と比べると、比較的性能が低い旧型のMIPS CPUを採用している。Xavierに使われているようなカスタムARMコアは、非常に強力な“頭脳”を提供できるため、Atomや『Xeon』のようなプロセッサは不要だ。Intelは、自社のPC向けプロセッサを採用するとしても、それを隠し立てすべきではない」と指摘した。
つまりDemler氏は、NVIDIAのShapiro氏が主張する、「NVIDIAのXavierはDLAとGPUを提供し、EyeQ5は、(自動運転に特化した)コンピュータビジョンコアを提供する」との見方に合意しているということだ。
それなら、多くの業界観測筋が指摘しているように、Xavier対EyeQ5を異なる条件でより正確に比較するには、どのような方法があるのだろうか。
Demler氏は、NVIDIAの自動車用AIプラットフォームDrive PXと、Intelの自動運転車向け開発プラットフォーム「Intel GO」とを、同レベルの製品として比較することを提案している。さらに、Intel GOプラットフォームのFPGAを、同社がBMW向けに開発しているEyeQプロセッサに置き換えるべきではないかと述べる。そうすると、「最小の性能として、Intelは、デュアルEyeQ5+Atom=50W(推定)/40TOPS(ニューラルネットワーク性能)とみなす。これをXavierの60W/60TOPSと比べる。これで、より同一条件に近い環境下での比較になるのではないだろうか」(Demler氏)
【翻訳:滝本麻貴、田中留美、編集:EE Times Japan】
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