2017年10月18日から羽田空港に、顔認証技術を使って帰国審査を行うシステムが導入されている。同技術を開発したのがパナソニックだ。
長時間のフライトを終えて飛行機を降り、足のむくみに耐えながらひたすら空港内を歩き、入国審査ゲートに着くと、そこには既に長蛇の列が……。こんな状況が、近い将来一変するかもしれない。
法務省は、顔認証技術を使って本人確認と帰国審査を行うゲート(以下、顔認証ゲート)を、2017年10月18日から東京国際空港(羽田空港)の国際線ターミナルに先行導入している。
顔認証ゲートは、「パスポートの読み取り」「顔を撮影して本人確認」「完了(通過)」という3ステップで行われる。パスポートの顔写真が掲載されているページを所定の位置にかざすと、パスポートの情報を読み取る。この時点でパスポートの期限切れや出国記録がないなどといった問題が発覚すると、次の本人確認のステップにはいかない。問題がない場合、顔認証ゲートに搭載されているカメラで顔を撮影。本人と確認されれば、ゲートが開いて通過できる。なお、現時点で利用できるのは、日本が発行したパスポートを持つ人で、帰国審査のみ行える。
この顔認証ゲートを開発したのが、パナソニック コネクティッドソリューションズ社(以下、CNS社)だ。同社は2017年12月15日、都内で記者説明会を開催し、顔認証ゲートに使われている技術について解説した。
パスポートのICには、顔写真のデジタルデータ(JPEGデータ)が保存されている。このデータを、顔認証ゲートで本人を撮影した時に生成したデジタルデータと照合し、一致するかを確認することで、本人確認を行う仕組みだ。パスポートの写真と、顔認証ゲートで撮影した写真を、“デジタル的に”見比べるようなものである。身長が135〜195cmの範囲であれば、普通に立っていればカメラで撮影できるが、身長によっては背伸びをしたり、かがんだりする必要もあるという。ただ、CNS社によると、135cm以下でも問題なく通過できているそうだ。
Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.