特に、自動運転システムを構成するためには、柔軟性や拡張性が不可欠だという。自動運転に必要なデータを収集するためのセンサーは、これからも進化を続ける可能性が高く、新たなセンサーの登場や搭載数の増加を考慮しておかなければならない。最新のアルゴリズムにも柔軟に対応する必要がある。
その一例としてLiDARを挙げた。30社以上が参入するLiDAR製品は、「ミラー回転方式」や「MEMS方式」「フラッシュ方式」「周波数変調方式」と、4つの異なる方式で実用化されているという。Xilinx製品はこれら方式のいずれにも対応することが可能である。物体の認識などを行うための画像処理手法も、All Programmable製品を用いると柔軟に対応することができるという。
「OEMメーカーは(自動運転という)新しいシステムにチャレンジしている。そうした中で、自らが固有の技術を保有しつつ、それをシステムに組み込むことで、競合メーカーと差異化した製品を一番先に市場投入したいと考えている」(Tu氏)という。これを実現するためには、XilinxのAll Programmable製品が最適だと主張する。その理由として競合製品に比べて、消費電力や信号遅延が小さく、周辺回路や部品の削減などによるコストダウンが可能なことなどを挙げた。
新たに出荷を始めたXA Zynq UltraScale+MPSoCファミリーも、ADASや自動運転システムの用途に向けた製品である。同ファミリーは、64ビットクアッドコア「ARM Cortex-A53」とデュアルコア「ARM Cortex-R5」をベースとするプロセッシングシステムと、プログラマブルロジック「UltraScale」アーキテクチャを1チップに集積したヘテロジニアス構成の製品である。このため、自動運転システムに必要なセンサーフュージョンと推論用AIエンジンの機能を、1チップで実現することも可能となる。
また、車載用半導体の信頼性試験規格「AEC Q-100」に準拠するとともに、認証機関のExidaより、ISO 262626 ASIL-Cレベルの認証を受けている。ヘテロジニアス構成のSoCでASIL-Cレベルの認証を受けたのは初めてだという。
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