日本ナショナルインスツルメンツ(日本NI)は、システム設計ソフトウェア「LabVIEW NXG」の最新版をリリースした。ハードウェアの設定時間の短縮と、リモート監視機能を簡単に実装することが可能になる。
National Instruments(NI)の日本法人である日本ナショナルインスツルメンツ(日本NI)は2018年1月25日、同社のシステム設計ソフトウェア「LabVIEW」の後継品となる「LabVIEW NXG」について、最新版を発表した。LabVIEW NXGは2017年5月に初期バージョンが発表されたが、今回は機能をアップデートした「LabVIEW NXG 2.0」のリリースとなる。
LabVIEWは1986年に販売が開始されて以来、30年以上をかけて毎年アップデートされてきたが、LabVIEW NXGではプラットフォームを刷新。最終的には現在のLabVIEWからLabVIEW NXGへと完全に移行する予定だが、それがいつになるかは未定だ(関連記事:「リリース31年目のサプライズ、2つのLabVIEWとその違いは」)。現在は、LabVIEWからLabVIEW NXGへの移行期間としており、LabVIEWユーザーであれば追加費用なしでLabVIEW NXGを使用できる。
LabVIEW NXG 2.0では、2つの新しい機能を追加した。ハードウェアの設定時間を削減するための「System Designer」と、計測データを遠隔から監視するための「Web Module」である。
System Designerは、LabVIEW NXGをインストールしているPCに接続された計測器を認識し、型番を基にドライバやマニュアル、仕様書などをWeb上で検索し、ダウンロードやインストールを自動て行う機能だ。例えばプリンタを使う場合、ユーザーがメーカーのWebサイトに行き、必要なドライバを探してインストールする必要があるが、System Designerはこうした手間を省くことができるようになる。認識する計測器は、NI以外の他社製でも構わない。日本NIによれば、認識できる計測器は現時点で約1000機種で、LabVIEWのユーザーが使用している計測器の約8割はカバーできているという。
上は開発環境の画面。ここでも、同じようにドライバやマニュアルのインストールができる。さらに、この画面には、DUT(Device Unter Test)の画像やコメントなどを挿入することができる。写真のDUTは水力発電のタービンで、例えばどのセンサーがどのモジュールに接続されているかといった情報を全て表示できるようになっている。画面右下に「インストールされているドライバ」という項目があり、ドライバがインストールされていない場合、どのドライバが必要かを示してくれる。
日本NIのテクニカルマーケティング エンジニアを務める井関邦江氏は、「LabVIEW NXGは、(開発中の)システムを視覚化できるようになっている。システムごとに異なる情報の共有を、開発環境を離れずに完結できる。LabVIEW NXGでは、開発に必要な情報を1つのウィンドウに納めることで、自動テストシステムを実現する際に課題となる、ハードウェアの検出と構成にかかる時間を低減できるようになる」と説明した。
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