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セキュリティ機能を向上したワイヤレスMCUIoT機器向け「Kinetis」

NXP Semiconductors(NXPセミコンダクターズ)は、IoT(モノのインターネット)機器に向けて、主な近距離無線通信規格に対応し、セキュリティ機能も強化したKinetisワイヤレスMCUコントローラ「K32W0x」を発表した。

» 2018年03月06日 10時30分 公開
[馬本隆綱EE Times Japan]

心臓の鼓動パターンで個人を認証へ

K32W0xの外観

 NXP Semiconductors(NXPセミコンダクターズ)は2018年3月、IoT(モノのインターネット)機器に向けて、主な近距離無線通信規格に対応し、セキュリティ機能も強化したKinetisワイヤレスMCUコントローラ「K32W0x」を発表した。

 K32W0xは、アプリケーション処理を行うプロセッサコアとして「Arm Cortex-M4」を、通信やセンサーデータの処理などを行うプロセッサコアとして「Arm Cortex-M0+」を1チップに集積したデュアルコア構成のMCUである。内蔵するメモリ容量はフラッシュメモリが1.25Mバイト、SRAMが384kバイトである。

 新しいIoT機器に向けたK32W0xは、マルチプロトコル無線通信への対応と強固なセキュリティ機能を実現している。サポートする近距離無線通信規格は、「Thread」や「Zigbee 3.0」、IoT向けに仕様が強化された「Bluetooth 5」である。セキュリティ機能は、AESやDES、SHA、RSA、ECCといった暗号方式、署名、ハッシングアルゴリズムを処理するための専用コアなどを搭載した。外部からのセキュリティ侵害に対する保護機能などもサポートしている。また、認証済みコードのみを動作させるセキュアブートやOTA(Over the Air)プログラミングなどにも対応した。

K32W0xの製品群と対応する無線通信規格 出典:NXPセミコンダクターズ

 同社は、内蔵したセキュリティ機能を拡張するため、生体認証技術を持つB-Securと協力している。両社は心臓の鼓動パターンを用いて個人認証を行う検証などを行っている。K32W0xは既に、ウェアラブル機器やスマートホーム機器、ヘルスケア機器などの用途に向けてサンプル出荷を始めた。量産開始は2018年第3四半期(7〜9月)後半を予定している。

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