SIGFOXが、京セラコミュニケーションシステム(KCCS)とネットワークパートナー契約を結び、日本でサービスを開始してから約1年がたった。SIGFOXの日本における人口カバー率は既に50%に達している。【訂正】
京セラコミュニケーションシステム(KCCS)は2018年3月16日、フランスSigfoxが手掛けるLPWA(Low Power Wide Area)ネットワーク「SIGFOX」のサービス開始1周年に合わせ、東京都内で「KCCS IoT Conference 2018」を開催。この1年の活動実績などを報告した。
KCCSがSIGFOXのサービス提供を開始したのは2017年2月だ(関連記事:「京セラがSIGFOXのデモ、水道検針や物流で需要」)。東京都23区、川崎市、横浜市、大阪市でのサービス提供開始を皮切りに、全国の政令指定都市を含む主要都市、そして全国へとエリアカバーを順次拡大中だ。KCCSの社長を務める黒瀬善仁氏は、「2018年3月には、主要都市のカバーはほぼ完了し、人口カバー率が50%に達した」と強調する。2019年3月には人口カバー率85%、2020年3月には同99%を目指している。
SIGFOXは、デバイス開発、アプリケーション開発、インテグレーションという3種類のパートナーによって、サービスをエンドユーザーに提供する仕組みになっている。現在のパートナーは、日本国内で266社に上る。
【訂正:2018年3月23日11時40分 当初は「世界で266社に上る」としておりましたが、「日本国内で」の誤りです。お詫びして訂正いたします。】
黒瀬氏は「既に日本でもサービスが提供され始めている」と語る。例えば、ゼロスペックは、灯油タンクの残量管理システムのサービスを、2017年冬から北海道で開始した。灯油タンクのキャップに残量センサーとSIGFOX通信モジュールを搭載し、灯油の残量をSIGFOXで定期的に送信するシステムだ。アズビル金門も、SIGFOXを使った水道メーターの自動検針サービスを開始した。ネスレ日本は、SIGFOXとボタン型デバイスを用いて、「キットカット」を発注するサービスを開始している。オプテックスは、コインパーキングの満空情報サービスなどを手軽に実現できる同社のプラットフォームにSIGFOXを採用している。
黒瀬氏によれば、2018年3月の時点で、日本におけるSIGFOXの回線数は100万回線を超える規模になっていると述べる。実は、世界ではSIGFOXの回線数は250万回線だ。つまり、日本での回線数がかなりの割合を占めていることになる。この背景について黒瀬氏は、事例で挙げたような灯油や水道メーターといった、日常生活やインフラに大きく関わるところで好調に伸びていることが理由だと分析する。
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