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» 2018年04月02日 09時30分 公開

AMDは2016、Intelは2014……。最新CPUチップの刻印が意味するものこの10年で起こったこと、次の10年で起こること(23)(3/3 ページ)

[清水洋治(テカナリエ),EE Times Japan]
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既に10nm世代プロセッサの設計開発も終えている!?

 Intelは14nmプロセスによる生産を立ち上げた2014年に設計開発も面で成し、一方のAMDもGLOBALFOUNDRIESの14nmプロセス立ち上げ時に同期して設計開発を完了させていたということになる。

 Intelら米国系メーカーは半導体チップ開発に、モデルを設けており、IntelもQualcomm、NVIDIAもそれらをTick-Tock(チック・タック)モデルと称して活用する。

 Tick-Tockモデルはプロセステクノロジー進化とコンピューターアーキテクチャの進化を同時に行わず、時計の振り子のように右、左と繰り返すことから命名された。

 プロセスの微細化は電源電圧の低下や面積縮小での配線負荷容量削減などの効果で、高速化や低電力動作が可能になる。ここで新製品の価値を高め、そのステップで製品価値を売り、その間にコンピュータの方式、アーキテクチャを一新し、成熟した(1サイクル経た)プロセスで新方式を用い、さらに性能を向上させる。

 1度に両者を同時に改良すると、ともに時間が限られ良いものが作れない可能性もある。また不具合が起こった場合、プロセスが悪いか、アーキテクチャが悪いか切り分けができないことも起こりうる。

 IntelはTick-Tockモデルをさらに発展させ、プロセスを2回改良するオプティマイズステップを加えているが、いずれにしてもプロセス進化を1ステップ多く踏むことで、より洗練されたテクノロジーを、作りあげることに、時間を費やしている。

 ステップを増やしたことで、アーキテクチャを2回、同じプロセスで見直す(熟考できる)利点がある。2017年モデルのIntelは、アーキテクチャの14nm世代での最適化に、時間を費やすことができたわけだ。

 Kaby LaleからCoffee Lakeがそのステップにあたる。

 いずれにしても、こうした事実は、チップを開封し開発年の記載を確認しないと、明らかにならないことばかり。今後も、片っ端からジャンジャン、チップを開封し、パッケージに隠された事実を白昼の下にさらしていく。

「この10年で起こったこと、次の10年で起こること」連載バックナンバーは、こちら

筆者Profile

清水洋治(しみず ひろはる)/技術コンサルタント

 ルネサス エレクトロニクスや米国のスタートアップなど半導体メーカーにて2015年まで30年間にわたって半導体開発やマーケット活動に従事した。さまざまな応用の中で求められる半導体について、豊富な知見と経験を持っている。現在は、半導体、基板および、それらを搭載する電気製品、工業製品、装置類などの調査・解析、修復・再生などを手掛けるテカナリエの代表取締役兼上席アナリスト。テカナリエは設計コンサルタントや人材育成なども行っている。


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