エヌビディアは2018年4月24日、ディープラーニングに関するセミナー「NVIDIA Deep Learning Seminar 2018」を東京都内で開催した。本稿では、セッション「これから始める人のためのディープラーニング基礎講座」から、ディープラーニングの歴史や概要、学習の流れについて紹介する。
エヌビディアは2018年4月24日、同年3月26日から29日まで米国カリフォルニア州シリコンバレーで開催された年次イベント「GTC 2018」の発表から、特にディープラーニングに関する内容を日本語で紹介するセミナー「NVIDIA Deep Learning Seminar 2018」を東京都内で開催した。
本セミナー最初のセッションでは、ディープラーニングをこれから学ぶ参加者を対象として「これから始める人のためのディープラーニング基礎講座」を開き、同社ディープラーニングソリューションアーキテクトの山崎和博氏が80分間にわたって、ディープラーニングの歴史的背景、動作の仕組み、フレームワークなどを平易に解説した。
本稿では、同セッション前半に山崎氏が語ったディープラーニングの歴史や概要、学習の流れについて紹介する。
さまざまな企業がディープラーニングを活用したサービスや製品を展開しているが、まずディープラーニングとはどのようなものなのか。山崎氏は「機械学習の1つの分野としてニューラルネットワークがあり、ニューラルネットワークをベースとした手法がディープラーニング」とまず説明する。
ニューラルネットワークの歴史をひもとくと、AI(人工知能)の概念が1940〜1950年代から提唱されたことから同分野の歩みが始まる。1958年には、ニューラルネットワークの基本となる「パーセプトロン」が発表され、第1次AIブームが巻き起こった。しかし、1969年に単純パーセプトロンの限界が指摘されたことにより、第1次AIブームは終息しAIは冬の時代を迎える。
その後、1979年に福島邦彦氏が「ネオコグニトロン」を発表し、再びAIは第2次ブーム状態となる。この第2次ブーム中に、現在もニューラルネットワークで用いられる手法の「誤差逆伝播法(Backpropagation)」や「畳み込みニューラルネットワーク」が提案されるも、再度ブームは下火となる。
2006年にGeoffrey Hinton氏が提案した「事前学習とオートエンコーダーによる多層ネットワークの学習」が、ディープラーニングの始まりとされる。このディープラーニングが2011年よりさまざまなコンペティションで圧倒的な成績を収めたことから、現在も続く第3次AIブームとして同技術は広く普及している。
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