5G(第5世代移動通信)のサービス開始に向けて準備が進む次世代スマートフォン市場。2022年にスマートフォンの世界市場は約16億台となり、このうち約2割を5G対応機が占める見通しだ。
富士キメラ総研は2018年4月23日、スマートフォンとそのキーデバイスについて世界市場を調査し、その結果を発表した。これによると、2022年のスマートフォン市場は15億9000万台となる。このうち、5G(第5世代移動通信)対応機が約3億台になると予測した。
今回の調査では、スマートフォンとそのキーデバイスに加え、フィーチャーフォンやタブレット端末、データ通信モジュール、リスト型ウェアラブル機器、スマートグラスおよび、これらに用いるキーデバイスの市場動向を分析した。さらに、基地局や基地局向けキーデバイス市場も調査の対象とし、「2018次世代スマートフォンとキーデバイス市場の将来展望」としてまとめた。
調査結果によると、スマートフォン市場は先進国で成長率が鈍化し、中国も普及が一段落。今後は中国を除くその他のアジア地域や中東、中南米、アフリカなどの市場で需要拡大を期待できるが、全体では年率2%と低調な伸びと予測した。
5G対応機の製品投入時期は、早くても2019年前半とみている。ただし、当初は6GHz帯以下の周波数帯に対応した製品で、ミリ波帯域に対応する製品が登場するのは、2019年後半から2020年になると予測した。
これらの状況から、スマートフォン市場は2017年の14億1200万台に対し、2022年は15億9000万台と予測。このうち、5G対応機は3億1000万台を見込む。スマートフォン全体に占める5G対応機の比率は19.5%となる。一方、フィーチャーフォンは2017年の2億8400万台に対し、2022年には1億1800万台に減少するが、一定の需要は残存すると予測した。
スマートフォンとフィーチャーフォン向けキーデバイスは、カメラとディスプレイについて市場予測を発表した。イメージセンサーやレンズユニットなどで構成される小型カメラモジュールは、2017年の1兆6616億円に対し、2022年は1兆7950億円と予測した。デュアルカメラの普及が進むと同時に、顔認証やAR向けセンシングカメラモジュールの需要拡大を見込んでいる。
ディスプレイは、LCDとOLEDを調査対象とした。市場は2017年の5兆5178億円に対し、2022年は6兆609億円と予測。2019年以降は主要OLEDメーカーからの出荷数量が拡大する。量産効果や競争激化などにより単価も下落し、スマートフォンでの採用が増加すると判断した。
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