今回発表した10Gbps データリンクシステムでは、MOST25と比較して約400倍もの高速化を実現する。小林氏は「アダマンド並木精密宝石は、光通信の基幹部品であるフェルールやスリーブ、その周辺の精密加工技術に長けており、以前から(TE Connectivityの)サプライヤーとして協力関係にあった。(同システムの開発にあたり)強い技術力を持つアダマンド並木精密宝石とパートナーシップを深めた」と語る。
また、同システムでは部品の集積化を進めたことも特長だ。コネクターのサイズをMOST部品と比較すると、体積比で約50%小型化を達成した。「(MOSTのコネクターでは)ディスクリートの部品をアセンブルして作っていたが顧客から若干大きいとの声があった。(同システムでは)ディスクリートではなく、複数の機能素子を同一基板上に集積する技術を採用し、ワンパッケージとした」(小林氏)ことで小型化を達成したと説明する。
同システムは現在開発中であるが、2020年までに基本技術を確立し、2023年までに車載信頼性の確立、国際標準化の推進を経て量産設計の完了を目指す。同システムの規格に準じた製品のリリース時期は2023年以降を想定するという。
また、説明会では同システムにのっとって開発された10Gbps光通信ループバック試験機を車載条件で加振し、オシロスコープでマスクテストを行うデモを公開。振動状態においても10Gbpsで伝送品質を確保したことをアピールした。
なお、同システムの試作機は「人とくるまのテクノロジー展2018 横浜」(2018年5月23〜25日、パシフィコ横浜)のTEジャパンブースで、展示および振動試験のデモが公開される予定だ。
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