NORフラッシュは、EEPROM(Electrically Erasable Programmable Read-Only Memory)の後継メモリとして多くのアプリケーションにおいて新たな可能性を見いだしている。
自動運転車はスマート化が進んで、より多くのメモリが必要になり、ダッシュボードには数多くの技術が搭載されている。少なくともNOR型フラッシュメモリはこれまで、主にセンターコンソールや助手席側に搭載されてきた。
NORフラッシュは、EEPROM(Electrically Erasable Programmable Read-Only Memory)の後継メモリとして多くのアプリケーションにおいて新たな可能性を見いだしている。具体的には、通信や産業、自動車などの高速の不揮発メモリを必要とする分野での活用が期待されている。中でも、自動運転車の開発が進む中、車載市場における注目が高まっている。
台湾のMacronix International(以下、Macronix)は、NORフラッシュのリーディングサプライヤーとして、車載市場で第3位に位置する。ただし、同社のMarketing, Ecosystem partnership and North America automotiveでシニアディレクターを務めるAnthony Le氏は、「当社は今後2〜3年で同セグメント首位になると確信している」と述べている。
Le氏は、1990年代半ばのNORフラッシュの技術プログラムで自身のキャリアをスタートさせ、以降NORフラッシュの進化とともに歩んできた。NORフラッシュは1990年代半ばには既に、ボンネット内での使用に求められる高温耐性を備えていた。同氏によれば、「耐熱性と20年以上のデータ保持性能を組み合わせることで、Macronixは現在、車載市場におけるあらゆるチャンスを優位に活用できる位置につけている」と述べる。
Le氏によると、NORフラッシュは車載市場ではまず、無線通信機器に採用されたという。無線通信機器は、車載アプリケーションの中ではそれほど多くのメモリを必要としない。しかし、テレマティクスとセンターコンソールのさまざまな機能によって、ここ10年でメモリ要件が増加した。今は、デジタルディスプレイを搭載しない自動車は売れない時代だ。無線通信機器に必要なNORフラッシュは1Mビットから12Mビットに増え、さまざまなグラフィックス機能によって1Gビットのメモリが必要になる場合もある。
Le氏は、「ボンネット内のような高性能システムでは、NORフラッシュ以外の不揮発性メモリは使用できない」と主張する。
Le氏は、「NORフラッシュはその優れた性能によって、ダッシュボードにも搭載されるようになっている。プロセッサを素早く起動できるため、自動車に乗ってキーを回すのとほぼ同時に、車載機能を利用できる。1秒以内にディスプレイとリアビューカメラが起動するようにしてほしい、というのがユーザーの要望だ」と述べている。
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